2018年12月12日公開
2018年12月12日更新
アゼルバイジャンの治安は安全なの?観光時の注意点や首都の様子をチェック!
カスピ海に面した東ヨーロッパのアゼルバイジャン。イスラム教徒が95%を占めるこの国の首都は、西に位置するバクー。隣国アルメニアとは緊張状態にあり常に治安が心配されています。今回は、アゼルバイジャンの治安や観光の注意点、さらに日本からの詳しい行き方もまとめます!

目次
- 1アゼルバイジャンの治安はどう?観光の注意点もご紹介!
- 2アゼルバイジャンってどんな国?
- 3日本からアゼルバイジャンへの行き方1:飛行機
- 4日本からアゼルバイジャンへの行き方2:首都バクーへ
- 5アゼルバイジャンの治安と観光の注意点1:危険地域
- 6アゼルバイジャンの治安と観光の注意点2:渡航不可地域
- 7アゼルバイジャンの治安と観光の注意点3:犯罪&テロ情報
- 8アゼルバイジャンの治安と観光の注意点4:ビザ
- 9アゼルバイジャンの治安と観光の注意点5:現金の持ち込み
- 10アゼルバイジャンの治安と観光の注意点6:入国審査
- 11アゼルバイジャンの治安と観光の注意点7:パスポートと滞在登録
- 12アゼルバイジャンの治安と観光の注意点8:写真撮影
- 13アゼルバイジャンの治安と観光の注意点9:交通機関
- 14アゼルバイジャンの治安と観光の注意点10:服装について
- 15アゼルバイジャンでは治安に注意して観光を楽しもう!
アゼルバイジャンの治安はどう?観光の注意点もご紹介!
ペルシア語で「炎」を意味する国アゼルバイジャン。私たち日本人にとってはあまり馴染みのない国名ですが、南コーカサス地方に位置するイスラム教国家です。周囲を。ロシア、ジョージア(グルジア)、アルメニア、イランの4ヶ国に囲まれています。
特に西の国境に隣接するアルメニアとアゼルバイジャンは、紛争状態にあり、アルメニアを挟んで飛び地となっているナビチェヴァン、そしてナゴルノ・カラバフ地方は、事実上独立した状態となっています。
アゼルバイジャンは、中東諸国とも非常に密接な関係にあることから、度々治安が心配される地域の一つであり、観光の際には特に注意が必要です。今回は、日本からアゼルバイジャンへの詳しい行き方や現地の安全情報を含めて詳しくお伝えします!
アゼルバイジャンってどんな国?
国章にも炎が描かれているアゼルバイジャン。首都は風の街と言われるバクーです。東ヨーロッパに位置していますが、国民の95%はイスラム教徒で、イスラム国家です。
首都バクーには、シンボルタワーとして有名な「フレイムタワー」がそびえ、近未来的な町が広がっています。また、アゼルバイジャンの各地には、地面から炎が吹き出し自然に発火している地域や、Mud Volcanoと呼ばれる泥の火山が吹き出しています。
アゼルバイジャンの国民の90%はアゼルバイジャン人(アゼリー人)で国の公用語もアゼルバイジャン語となっています。しかしながら、歴史的にはロシアと密接な関係にあり、首都バクーなどでは、多くの人がロシア語を話します。
アゼルバイジャンは、隣国グルジア等と同じく、世界的に有名なワインの産地として知られており、周辺各国にはあまり流通していないものの、アゼルバイジャン国内では「イワノフカ」という低価格で飲みやすいワインが流通しています。
そんなアゼルバイジャンには、2つの世界遺産があり、一つは、「城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿、及び乙女の塔」。そしてもう一つは、「ゴブスタンの岩絵の文化的景観」です。
首都バクーの旧市街は、危機遺産の一つとされており、荒廃が進んでいます。首都バクーが形成されたのは5世紀ころと言われており、城壁内には12世紀に建築されたイスラム学院などの遺跡も残されています。
一方、アゼルバイジャン西部に位置するもう一つの世界遺産「ゴブスタンの岩絵の文化的景観」は、60万点以上の岩絵が残されており、古いものは20000年近く前に描かれたとも言われています。
岩絵に描かれたモチーフの中には、宗教的な儀式の様子や闘牛、そして人や動物の他、星や太陽などバリエーションも豊富で、中にはラクダの隊商なども描かれているそうです。
「ゴブスタンの岩絵の文化的景観」の周辺には、アゼルバイジャン観光の見どころである泥火山も多くあるため、合わせて観光する行き方がおすすめです。地球上に約700あると言われる泥火山のうち400ほどがこのカスピ海沿岸地域にあるそうです。
日本からアゼルバイジャンへの行き方1:飛行機
ここからは、日本からアゼルバイジャンへの行き方をご紹介します。アゼルバイジャンへの行き方は、飛行機になりますが、日本からは直行便が就航していません。首都バクーまでは、アエロフロート(ロシア航空)やカタール航空が就航しています。
もっとも飛行時間が短い行き方は、カタール航空を利用する行き方で、途中カタールにて一回乗り継ぎになりますが、片道18時間30分ほどで、アゼルバイジャンまで行くことができます。
値段が一番安い行き方は、アエロフロートを利用する行き方で、もっとも安いチケットで往復6万円ほどから販売されています。
アエロフロートで行く場合は、ロシア国内にて一度乗り継ぎし、片道30時間ほどかかるルートが多いようです。乗り継ぎのアクセスがよくないため、コストと所要時間のバランスを考えるとカタール航空を利用する行き方がおすすめです。
日本からアゼルバイジャンへの行き方2:首都バクーへ
続いては、アゼルバイジャン空港から観光の拠点となる首都バクーへの行き方をご紹介します。アゼルバイジャンのバクーヘイダル・アリエフ国際空港から市街地までは、空港バスで20分ほどかかります。
空港から首都圏へ向かうバスは30分ごとに運行されておりもっとも便利な行き方になります。バクー市街地は、オイルマネーで潤うアゼルバイジャンの経済力が伝わってくる近代的な街並みが広がっています。
アゼルバイジャンの首都バクー市内で観光する場合は、移動手段は、徒歩、地下鉄、バス、タクシーなどがあります。日本と同じく首都バクーは大都会で、公共交通機関が発達しており、非常に便利です。
新市街と旧市街を結ぶ地下鉄路線が観光には特に便利で、ICカードを事前に購入しておけば、小銭も必要なくスマートに観光を楽しむことができます。ICカードは2タイプあり、日帰りなら使い捨てカード、5日ほど滞在するならチャージ式がおすすめです。
地下鉄だけでなく、バスでも共通のICカードを利用できますので、公共交通機関を活用して観光する行き方がおすすめです。
首都バクー周辺は、テロのリスクなども少なく治安は割とよい方ですので、観光の際は、街中を歩いていても問題はありません。ただし、ここは日本ではありませんので、観光地でのスリや置き引きなどには十分ご注意ください。
アゼルバイジャンの治安と観光の注意点1:危険地域
ここからは、アゼルバイジャンの治安を項目別に見ていきましょう。まずは、危険地域についてです。外務省の安全情報によると2018年12月現在のアゼルバイジャンの治安は、首都バクーを含めた東側地域が危険レベル1となっています。
バクー郊外にある世界遺産ゴブスタンの壁画周辺、及び泥火山なども治安レベルは1となっていますので、注意して観光してください。
首都バクーから、世界遺産ゴブスタンの壁画と泥火山を見に行く場合は、最寄りのバス停から4キロほど距離がありますので、すべてをまとめて観光するならタクシーを使った行き方がおすすめです。
アゼルバイジャンの治安と観光の注意点2:渡航不可地域
アゼルバイジャンの治安情報、続いては、渡航不可地域についてです。アゼルバイジャンは、隣国アルメニアを挟んで東西に領土が分かれている国です。特に、アルメニアとは緊張状態にあり、西側の国境地帯「ナゴルノ・カラバフ周辺」は渡航中止勧告が出ています。
西側の飛び地となっているナフチェパン自治共和国の西側地域も同様で、危険レベル3(渡航中止勧告)が出されています。このエリアでは、いつ戦争が起こってもおかしくない状態が続いており、万が一誘拐されたりした場合は救出できないと言われています。
首都バクーは、この地域からかなり離れていますので、それほど危険ではありませんが、とにかく日本に比べると治安がよくないことは確かですので、十分注意して観光するようにしましょう。
アゼルバイジャンの治安と観光の注意点3:犯罪&テロ情報
続いては、アゼルバイジャン国内の犯罪情報について見ていきます。2016年アゼルバイジャンの犯罪認知件数は26611件となっており、前年より305件少ない結果となりました。
ただし、屋内外での強盗窃盗事件は1188件増加しているため、決して安全とは言えません。日本ではありませんので、夜中に一人で暗い通りを歩いたり、用もないのに裏通りに入ったりするのは絶対にやめましょう。
アゼルバイジャン国内において、これまでに日本人をターゲットにした誘拐テロなどは発生していませんが、イスラム過激派が潜伏している可能性もありますので、標的にされないよう十分注意して観光してください。
アゼルバイジャンの治安と観光の注意点4:ビザ
続いて、アゼルバイジャンの出入国手続きに関する情報です。アゼルバイジャンに入国するには、これまでビザを事前に手配する必要がありました。しかし、2016年2月から一部の国際空港を利用して入国する際には、日本パスポート所持者にビザは必要ありません。
観光目的で滞在する場合の一時有効ビザは、滞在日数が30日間となっています。陸路や航路で入国する行き方の場合は、これまで同様ビザの手配が必要となります。
日本国外のアゼルバイジャン大使館でのビザの申請は、受理されない可能性もあるため、陸路または航路で入国をお考えの場合は、事前に在日本アゼルバイジャン大使館または、ネットでビザを発給するようにしてください。
アゼルバイジャンの治安と観光の注意点5:現金の持ち込み
アゼルバイジャンの治安情報、続いては、現金の持ち込みについてです。アゼルバイジャンでは、現金の持ち込みは10000米ドルまでとなっており、それ以上の現金を持ち込む場合は、申告しなければなりません。
申告方法は、個人簡易申告書と通関証明書の二つで、いずれも、税関にて手続きが可能です。現金を持ち出しについても同様で、50000米ドル以上は、国外に現金で持ち出すことができません。
多額の現金を移動させることは不可能ですので、アゼルバイジャン国内の銀行から海外送金手続きを行うようにしてください。
アゼルバイジャンの治安と観光の注意点6:入国審査
続いては、アゼルバイジャンの入国審査についての注意点です。アゼルバイジャンと隣国アルメニアは、領土を巡って長い紛争状態にあり、今も緊張状態が続いています。このため、アルメニアに渡航履歴のある旅行者は入国審査が厳しくなる傾向にあります。
日本人観光客は、ほとんど首都バクーに飛行機で渡航する場合が多いと思いますが、まれに一度アルメニアに入国したあと、ロシアなど他の国を経由して陸路でアゼルバイジャンに入国される方がいるかもしれません。
その場合は、入国審査で止められる可能性がかなり高いので、アルメニア入国時にスタンプを押さないようにしてもらうなど、工夫が必要です。
アゼルバイジャンの治安と観光の注意点7:パスポートと滞在登録
続いては、滞在時の注意点についてです。アゼルバイジャン国内に滞在する間は、常に身分証としてパスポートのコピーを所有しておく必要があります。
パスポートを持っていないと、警察にそのまま連行されるリスクもあるため、十分注意が必要です。基本的に、貴重品はホテルのセーフティボックスなどに預けるのがおすすめですが、パスポートのコピーは必ず持つようにしましょう。
アゼルバイジャン国内で、トラブルに巻き込まれた場合は、在アゼルバイジャン日本大使館に連絡してください。また10日以上アゼルバイジャンに滞在する場合は、移民局で滞在登録を行う必要がありますので、ご注意ください。
アゼルバイジャンの治安と観光の注意点8:写真撮影
続いては、観光の際の注意点です。アゼルバイジャン国内では、国境付近及び軍関連施設の写真撮影が禁止されています。また、政府関連の建物についても撮影が禁止されている場合がありますので、観光の際は十分注意してください。
地下鉄構内なども、写真撮影の場合は事前に確認してから撮影するようにしましょう。アゼルバイジャンはイスラム教の国ですので、女性に対してカメラを向けると後でトラブルに巻き込まれる可能性があります。
日本のように誰とでも気軽に写真を撮ったりするようなカルチャーがありませんので、その点は十分注意して観光するようにしてください。
アゼルバイジャンの治安と観光の注意点9:交通機関
続いて、アゼルバイジャンの交通機関についてです。アゼルバイジャンには、バス、タクシー、地下鉄など、様々な交通手段がありますが、道路の状態が悪く穴が開いている箇所も多く見られます。
旅行する地域によっては、信号機が見え辛かったり、故障している場合もありますので、レンタカーなどを利用する場合は、十分注意してください。タクシーは料金メーターを使うことが決まっていますので、メーターを利用しないタクシーに乗らないようにしましょう。
郊外の世界遺産観光へ行く場合は、乗車前に運転士と交渉し、後でトラブルにならないようにご注意ください。
アゼルバイジャンの治安と観光の注意点10:服装について
最後に、アゼルバイジャンを観光する際の服装等の注意点をまとめておきます。アゼルバイジャンでは、首都バクーをはじめ、そのほとんどの地域で、半ズボンを着用する人はいません。
イスラム国家であることから、基本的に男性も女性も肌をあまりにも露出するのはマナーが悪いということになりますので、過度に露出のある服装は避けるようにしましょう。
また、日本と違って女性が公の場で堂々とタバコを吸う習慣がないため、歩きタバコしている女性は売春婦とみなされる場合もあります。
ついでになりますが、アゼルバイジャンは、水道水が不衛生ですので、飲用には適しません。必ずミネラルウォーターなどを購入し、レストランでも、氷などが入っている場合は飲まないように注意しましょう。
アゼルバイジャンでは治安に注意して観光を楽しもう!
東ヨーロッパのアゼルバイジャン共和国の治安についてご紹介致しました。日本からアゼルバイジャンへの行き方はカタール航空またはアエロフロートを利用して行くのがおすすめです。
首都バクーの治安は、概ね良好ですが、アルメニアとの国境地帯はすべて渡航中止勧告が出ていますので、絶対に近づかないようにしましょう。日本とはまったく違った文化・風習のある国ですので、観光の際は服装にも十分ご注意ください。
