サラエボ観光のおすすめスポット9選!戦争の歴史が残る街の見どころを紹介!

ボスニア・ヘルツェゴビナは長い戦争の歴史が残る未知の観光スポット。首都サラエボは、3つの宗教と人種が暮らす混沌とした街並みが広がります。今回は、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ観光のおすすめスポット9選と共に、戦争や町の歴史にも迫ります!

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目次

  1. 1ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボをご紹介!
  2. 2戦争の歴史が残るボスニア・ヘルツェゴビナ
  3. 3ボスニア・ヘルツェゴビナ観光の見どころ
  4. 4戦争の記憶を風化させない首都サラエボ
  5. 5サラエボの治安は大丈夫?
  6. 6サラエボ観光の見どころ1:バシュチャルシヤ
  7. 7サラエボ観光の見どころ2:セビリ噴水
  8. 8サラエボ観光の見どころ3:ガジ・フスレヴ=ベグ・モスク
  9. 9サラエボ観光の見どころ4:サラエボローズ
  10. 10サラエボ観光の見どころ5:ラテン橋
  11. 11サラエボ観光の見どころ6:カトリック大聖堂
  12. 12サラエボ観光の見どころ7:イナト・クチャ
  13. 13サラエボ観光の見どころ8:生神女誕生大聖堂
  14. 14サラエボ観光の見どころ9:ブレロ・ボスネ
  15. 15戦争の歴史が残る町「サラエボ」を観光してみよう!

ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボをご紹介!

バルカン半島の内陸国ボスニア・ヘルツェゴビナは、20世紀末まで戦争が続いた複雑な歴史を持つ国です。戦争終了から既に23年の月日が流れ、国全体の状況は徐々に回復しつつあり、近年では観光国として注目されています。

そんなボスニア・ヘルツェゴビナの首都はサラエボで、ボシュニャク人、セルビア人、クロアチア人の3つの民族と宗教が混在している不思議な街並みが広がります。

今回は、戦争の爪痕と悲しい歴史が残るサラエボで、観光の見どころをご紹介すると共に、サラエボ以外のおすすめ観光スポットもまとめます。

戦争の歴史が残るボスニア・ヘルツェゴビナ

サラエボについてご紹介する前に、まずは、ボスニア・ヘルツェゴビナがどんな歴史を持つ国なのか、簡単にご紹介してみたいと思います。

歴史的に様々な民族が入り混じるバルカン半島において、より一層複雑な他民族国家として文化が混在しているボスニア・ヘルツェゴビナ。

ビザンツ帝国、オスマン・トルコ帝国、そしてオーストリア・ハンガリー帝国の3つの帝国の狭間で激動の時代を生き抜いてきました。

オスマン・トルコ帝国の影響でイスラム化しはじめ、冷戦時代には、ユーゴスラビアという国に属することとなります。

ユーゴスラビアは、7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国家と言われ、分離独立に至るまで、激しい戦争が繰り返される泥沼の歴史をたどります。

1995年に終戦を迎えるまで、首都サラエボを含めたボスニア・ヘルツェゴビナ全土で、ボスニア人対セルビア人、そしてクロアチア人まで巻き込む大戦争が3年に渡って続きました。

ボスニア・ヘルツェゴビナは、実は今も国内が二つに分かれており、東側の構成体のひとつであるスルプスカ共和国と西側のボスニア・ヘルツェゴビナの中間地点に首都サラエボが位置しています。

特に、戦争の激戦地となった首都サラエボには、今も戦争の爪痕が町のあちこちに残されており、歴史スポットとして観光名所にもなっている「スナイパー通り」には、今も内戦時代の銃弾跡が生々しく残されています。

ボスニア・ヘルツェゴビナには、世界遺産となった橋もかかる地方都市モスタルなど、他にも観光のおすすめスポットがたくさんあります。

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ボスニア・ヘルツェゴビナ観光の見どころ

中世から続く歴史ある街並みや、大自然が生み出した絶景の滝など、サラエボと合わせて見ておきたい観光の見どころがたくさんあるボスニア・ヘルツェゴビナ。必見の観光スポットをまずはご紹介致します。

ボスニア・ヘルツェゴビナの隣国クロアチア南端の都市「ドブロニク」から日帰り観光でも行ける「モスタル」。世界遺産に認定された美しい橋のかかる風光明媚な都市です。

また、中世ボスニア王国の首都であったヤイツェは、滝の上に開けたファンタジックな景観で知られるおすすめの観光スポットで、名画にも描かれた風景を見るなら、秋の紅葉シーズンがベスト。

モスタル周辺には2つのおすすめ観光スポットがありますが、その一つが「クラヴィツェの滝」で、落差30メートル幅100メートルの滝周辺は、ラフティングや水遊びを楽しむ観光客で賑わいます。

世界遺産モスタルから日帰り観光にもおすすめの都市「メジュゴリェ」は、ボスニア人が多い西側地域の中で異彩を放つキリスト教の町です。マリアが出現したと言われるパワースポットとしても知られており、国内外から巡礼者が訪れます。

中世の歴史を感じられる町「ヴィシェグラード」には文学作品のモデルにもなった美しい「ソコルル・メフメト・パシャ橋」がかかり、ボスニア・ヘルツェゴビナ観光の見どころの一つとなっています。

戦争の記憶を風化させない首都サラエボ

ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボは、2011年以降人口調査が行われていませんが、推定30万人以上が暮らす同国最大の都市となっています。

ボスニア語、クロアチア語、セルビア語の3つの言語を話し、イスラム教、カトリック教、セルビア正教の他、ユダヤ教を信仰する人々も暮らす、かなり複雑な多民族都市となっています。

サラエボの歴史は古く、その始まりは先史時代とも言われています。15世紀のオスマン・トルコ帝国時代にボスニアの首都になって以来、この国の首都として栄えてきました。

サラエボは、歴史の中で3度世界の注目を集める事件が起こった町としても知られています。1つ目は、1914年に起こったオーストリア帝位継承者の暗殺事件(通称サラエボ事件)。2つ目は、1984年に開催された冬季オリンピック。 

そして最後は、1992年から1995年まで3年に渡って続いたセルビア人勢力による包囲です。戦争から23年が経ち、今では当時に比べればずっと明るい雰囲気を取り戻しつつあるサラエボですが、町の中には、戦争の爪痕「サラエボ・ローズ」なども残されています。

エキゾチックなモスクやバザールが連なる旧市街には、おいしいご当地グルメを味わえる老舗レストランもありますので、後ほど観光の見どころのコーナーで詳しくご紹介致します。

サラエボの治安は大丈夫?

おすすめの観光スポットがたくさんあるサラエボですが、旅行者にとってやはり不安になるのは治安ではないでしょうか?戦争終結から23年経ったサラエボの治安は、概ね良好と考えて問題ありません。

サラエボ市内には、危険箇所はありませんが、ボスニア・ヘルツェゴビナ国内には、戦争時代に残された地雷源があちこちに点在しており、州や県の境目には、網の目のように危険地帯が残っています。

また、戦争時代に流通した武器や兵器が今でもサラエボを中心としてボスニア・ヘルツェゴビナ国内に出回っているようで、強盗や射殺事件など凶悪犯罪もまったくないとは言えません。

主要な観光スポットでは、観光客を狙ったスリや窃盗のケースも見受けられるようです。貴重品はできるだけ持ち歩かないようにし、所持品の管理はしっかりと行うことをおすすめします。

サラエボ国内は、現地通貨マルカの他、一部でユーロやクロアチア通貨なども流通しています。大手ホテルや観光客の多いレストランでは、クレジットカードを利用できる場所もあります。

現金は必要最低限にし、両替後は、犯罪者に狙われやすいので、特に注意することをおすすめします。また、サラエボ市内では路面電車などを利用する場合もあるかと思いますが、公共交通機関でも、スリに警戒するようにしてください。

サラエボ観光の見どころ1:バシュチャルシヤ

サラエボの歴史や基本情報も分かったところで、ここからは、サラエボの観光おすすめ観光スポットをご紹介していきます。トップバッターは、シナゴーグやバザールが立ち並ぶ旧市街「バシュチャルシヤ」。

多民族国家サラエボを象徴する見逃せない観光スポットです。旧市街の中には、お土産ものを販売するお店やご当地グルメが楽しめるレストランもいっぱい。ぜひ、食べていただきたいのが、サラエボのソウルフード「チェバプチチ」。

ボスニア・ヘルツェゴビナ全土でよく食べられている伝統料理の一つで、挽き肉を使った皮なしソーセージを、パンに挟んでいただきます。サラエボでは、トルコ料理の流れを組むムスリムメニューが主流で、牛肉や羊肉などを使用した料理が一般的です。

サラエボ観光の見どころ2:セビリ噴水

サラエボ観光のおすすめスポット、続いては、歴史的な街並みが広がる旧市街のシンボル「セビリ噴水」。広場のほぼ中央に位置するこちらの観光スポットは、サラエボ市民の憩いの場にもなっています。

噴水というよりは「水汲み場」という表現が正しいセビリでは、水を汲んでその場で飲む人も見られます。外国で生水を飲むのは少し抵抗がありますが、この水は飲んでも大丈夫なようです。

ちなみに、セビリの水を飲むと、再びサラエボに戻って来れるという言い伝えもあるそうですので、試してみるのもおもしろいかもしれません。

サラエボ観光の見どころ3:ガジ・フスレヴ=ベグ・モスク

サラエボ観光の見どころ、続いてご紹介するのは「ガジ・フスレヴ=ベグ・モスク」。旧市街に位置するこちらのモスクは、サラエボの代表的な観光スポット。

1531年オスマン・トルコ帝国の支配の元、この地に建設されました。観光名所となっているヴィシェグラードの「ソコルル・メフメト・パシャ橋」や、イスタンブールの「スレイマニエ・モスク」を設計したミマール・スィナンによる設計です。

サラエボ包囲の際、甚大な被害を被りましたが、2000年から本格的な修復作業が始まり、現在では、元の姿が完全に復元されています。サラエボの歴史を知る上で見逃せないおすすめスポットです。

サラエボ観光の見どころ4:サラエボローズ

サラエボ観光のおすすめスポット、続いては、戦争の歴史を今に伝える「サラエボ・ローズ」。町の至るところにつけられた地面の赤いペイントは、サラエボ包囲の際に犠牲者が出た場所を教えてくれます。

町のあちこちには、銃弾の跡がそのまま残された建物が今も保存されており、戦争の爪痕を生々しく伝えています。

20万人もの犠牲者が出たと言われるサラエボ包囲。その悲しい歴史は、二度と繰り返してはいけない戦争の悲劇を私たちに語りかけてきます。

サラエボ観光の見どころ5:ラテン橋

サラエボのおすすめ観光スポット、続いては、1914年オーストリア皇太子が暗殺された「ラテン橋」。かなりホラーな観光スポットが多いサラエボですが、こちらも血塗られた歴史が残されたちょっとダークな見どころの一つ。

この暗殺事件は、第一次世界大戦のきっかけの一つとも言われています。暗殺された箇所は、橋のたもと辺りと言われており、周辺の見どころとしてはサラエボ博物館などがあります。

サラエボ博物館には、亡くなった皇太子の遺品の他、サラエボの歴史に関連する様々な展示が行われています。合わせて観光するのがおすすめです。

サラエボ観光の見どころ6:カトリック大聖堂

サラエボ観光の見どころ、続いては、ボスニア国立博物館から程近い距離にある「カトリック大聖堂」。「イエスの聖心大聖堂」と呼ばれるこちらの教会は、ボスニア・ヘルツェゴビナ最大のカトリック寺院。

1884年から1889年にかけて建設されたゴシック様式の重厚感ある建物が見どころです。ロマネスク様式の尖塔と美しいガラス窓がはめられており、青空に映える美しい教会は記念撮影にもおすすめのスポットです。

パリのノートルダム大聖堂をモデルにしたとも言われており、サラエボの象徴として県旗や市章が寺院の窓と尖塔に掲げられています。

サラエボ観光の見どころ7:イナト・クチャ

続いての観光スポットは、現地の言葉で「遺恨の家」を意味する「イナト・クチャ」。現在はレストランとして利用されている建物ですが、歴史スポットとしても知られています。

博物館のような店内には、オーストリア・ハンガリー帝国の時代から伝わる武具や刀剣なども陳列されており、中世のような雰囲気の中で、サラエボのご当地グルメを味わえます。

牛の胃を煮込んだチョルバや、春菊の葉で肉を包んで煮込んだサルマなど、ボスニア・ヘルツェゴビナの伝統的なお料理を楽しめます。トリップアドバイザーではあまり接客態度がよくないお店と評されていますので、そこは期待せず食事だけを楽しんでみてください。

サラエボ観光の見どころ8:生神女誕生大聖堂

続いてご紹介するサラエボの観光スポットは、「生神女誕生大聖堂」。「生神女」=聖母マリアの誕生を記念して1863年から3年の月日をかけて建設されました。

ブルガリア人建築家によって建てられた聖堂には、3つのバシリカと、十字架を備えた5つのドームを持つ非常にユニークな建物です。

寺院内には、セルビア正教会のイコン(宗教壁画)なども飾られていますので、ぜひ、内部も合わせて観光してみてください。

サラエボ観光の見どころ9:ブレロ・ボスネ

最後にご紹介する観光スポットは、サラエボ郊外約15kmの距離にある自然公園「ブレロ・ボスネ」。サラエボの水源となっている水をたたえた美しい公園は、夏は避暑地として多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

公園の周囲には、美しい並木道が広がっており、観光客を載せた馬車も行き交います。どこかノスタルジックな雰囲気も漂う小路は、まるで絵画のように美しく、記念撮影にもおすすめです。

戦争の歴史が残る町「サラエボ」を観光してみよう!

ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボの見どころと観光の注意点などをご紹介致しました。戦争の歴史を今に伝えるサラエボは、他のボスニア・ヘルツェゴビナの都市に比べて、ややアクセスが不便な位置にあります。

複雑な多民族国家として、今も国内の領土が東西に分かれているボスニア・ヘルツェゴビナで、ヨーロッパと中東の大国が覇権争いを繰り広げたこの地には、エキゾチックな文化見どころが満載です。

サラエボは、日本人観光客にとってはまだまだマイナーな観光スポットですが、美しい自然とおいしいご当地グルメもたくさんありますので、ぜひ一度足を運んでみてください!

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この記事のライター
Yukilifegoeson