布引観音の見どころ特集!御朱印・駐車場・アクセスも詳しくチェック!

長野県小諸市にある布引観音(釈尊寺)は、有名な「牛に引かれて善光寺参り」という言葉にゆかりの場所です。行基が開いたとされる歴史あるお寺で、春の桜、秋の紅葉と、見どころも多く、絶景を楽しむこともできます。布引観音の由緒やアクセスなどの情報について紹介します。

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目次

  1. 1善光寺と併せて行きたい「布引観音」
  2. 2布引観音とは?
  3. 3釈尊寺(布引観音)の由緒
  4. 4布引観音の見どころ
  5. 5布引観音の御朱印
  6. 6布引観音の基本情報・アクセス
  7. 7布引観音周辺のおすすめスポット
  8. 8布引観音へありがたい絶景を見に行こう

善光寺と併せて行きたい「布引観音」

「牛にひかれて善光寺参り」という言葉があります。善光寺は長野の有名なお寺なのでご存知でしょうが、その「牛」はどこから「ひいて」きたのでしょう。それに関係するのが布引観音です。布引観音とはどういう観音様なのか、そして場所、アクセス情報、御朱印情報などについて紹介します。

布引観音とは?

布引観音というのは、長野県小諸市にある天台宗の寺院「釈尊寺」にある観音様です。山号は「布引山」であり、本尊は聖観世音菩薩です。観音菩薩にはいろいろなタイプがありますが、聖観世音菩薩はその中で1面2臂の像を言います。この観音像が布引観音と呼ばれるようになった理由は後に述べます。

信濃三十三観音の29番目にあたる

この布引山釈尊寺は長野県に広がる信濃三十三観音霊場のうち、29番目にあたる巡礼地でもあります。小諸市内にはこの信濃三十三観音の霊場はここ釈尊寺だけですが、御朱印をいただく方なども多く訪れており、またとても珍しいところに立地しているのでそのあたりも見どころと言えるでしょう。

「牛に引かれて善光寺参り」の観音様

さてそれでは、「牛に引かれて善光寺参り」の伝説を紹介しましょう。昔、信濃国小県郡(現長野県東御市)に信心が薄い老婆が住んでいました。この老婆が千曲川で布をさらしていたら、一頭の牛が現れてこの布を角にかけて走りだしたのです。

老婆はこの布を取り返そうとして、善光寺の境内まで追いかけたのですが、突然消えてしまいました。呆然と老婆がたたずんでいると、どこからか光明が差したのです。それを見ていると老婆は信仰心が起こり、金道に籠り、祈りをささげました。この牛は布引観世音菩薩が姿を変え、老婆を教化したのです。

その後、老婆がふと布引山を見ると、そこにあの時の布がかかっているのに気がつきました。ところがその場所は断崖絶壁であり、どうしても取ることができません。老婆は一心不乱に祈っているうちに、ついにその布と共に石になってしまいました。

なお、善光寺の資料では、この牛は善光寺の阿弥陀如来の化身であり、ここで信心を取り戻した老婆はこの後も何度も善光寺を参詣し、極楽往生できたということになっているそうです。

「牛に引かれて善光寺参り」というのはこの話からできた言葉であり、牛が布を引いて走りだしたことから「布引観音」という名前になったというわけです。

釈尊寺(布引観音)の由緒

ところで、布引観音がある釈尊寺というお寺はどのような由緒を持ったお寺なのでしょうか。寺伝によると、釋尊寺が創建されたのは奈良時代のことだとされています。724年に有名な行基が開いたお寺だと言われており、聖徳太子が造った聖観音像が祀られているとのことです。

しかし、1548年、武田信玄がこの地に侵攻した際に、釈尊寺は焼亡してしまいます。1558年に現在の長野県佐久市にあった望月城の当時の城主だった望月左衛門佐信雅によって再建されたのですが、1723年に再び野火によって焼亡してしまいました。

現存する伽藍の大半は江戸時代の後期、1800年代になってから、当時の小諸藩主牧野康明によって再建されたものです。

布引観音の見どころ

さてそれでは、布引観音とそれがある釈尊寺について、その見どころを紹介していきましょう。布引観音そのものももちろん見どころではあるのですが、実はこの釈尊寺そのものがとても珍しい場所にあるお寺であり、他のお寺にはない見どころが多くあるのです。布引観音も珍しい場所にあります。

山の参道の仏像・巨石・穴

アクセスのところで改めて述べますが、釈尊寺は参道の入口のところに駐車場があり、そこから山を登っていくルートになります。山の上にお寺があるというところそのものはさほど珍しくはないかもしれませんが、お寺のお堂が「懸崖造り」と呼ばれる、崖の上に造られているのです。京都の清水寺をイメージするとわかりやすいです。

駐車場から延びる参道は、布引渓谷沿いにあり「信州の耶馬渓」と言われています。一応は階段がありますが、湧水などもあり、ぬかるんだ場所もある上、部分的に急な場所もあります。スニーカーなど歩きやすい靴での参拝がおすすめです。

しかし、その参道沿いには通りの両側にたくさんのお地蔵さまがいて、道中の安全を見守ってくれています。それぞれに姿が違うお地蔵さまもまた、見どころの一つと言えるでしょう。そして途中には、仁王門もあります。ここは現在通ることはできませんが、両側に金剛力士像が安置されているので一休みして見ていきましょう。

また、その途中にはたくさんの岩穴もあります。中でも有名なのは、岩に牛の姿が現れていると言われる「牛穴」や「善光寺穴」などです。「善光寺穴」というのはこの穴がなんと善光寺まで続いているということでつけられています。善光寺火災があった時、ここから煙がでてきたということです。

そのまま進んでいくと、崖に面した場所に本堂が見えてきます。この本堂は先ほど紹介したように、江戸時代後期に再建されたものです。御朱印もこちらの社務所でいただくことになります。参拝を済ませたら布引観音に会いにいきましょう。

参道から見上げる観音堂が圧巻!

駐車場から延びる参道を登っていく途中、崖の上に朱塗りの柱の建物が見えていました。それが布引観音が安置されている観音堂です。釈尊寺一番の見どころと言える観音堂に進んでいきましょう。観音堂は本堂の前を通り、岩がくりぬかれてできている通り道をくぐって進みます。

この洞窟の先にあるのが観音堂です。中でも釈尊寺の観音堂にある仏殿型の厨子である宮殿(くうでん)は、1258年に造立したことが示された棟札がある、入母屋造板葺の建物です。細部に鎌倉時代の特色が見られ、特に鎌倉時代の梅鉢懸魚は釈尊寺のものが現在唯一遺るものとされています。

先ほど、釈尊寺は武田信玄の侵攻によって焼亡したと述べました。実はこの観音堂は岩屋の中に祀られていたために、その時の戦火をまぬがれることができ、現在にまで残ることができたのです。建築史上重要な建造物ということで1949年に国の重要文化財となりました。この見どころは見逃せません。

桜や紅葉の穴場スポット

さて、この布引観音ですが、長野の桜、紅葉の穴場スポットと言われています。ここで桜や紅葉を見て、温泉に入り、長野ならではの食事を楽しむというのはおすすめの長野観光の一つのパターンと言えるかもしれません。

まず、桜のほうから紹介しましょう。布引観音付近の桜は例年4月中旬から下旬ごろに見ごろを迎えます。長野でしかも山の方に近いため、時期としては少し遅めになるようです。後で紹介する懐古園とほぼ同じか少し遅めと考えるとよいでしょう。

特に布引観音の桜では枝垂桜が美しく、樹齢100年以上という古木が、毎年美しい姿を見せてくれます。見どころのところで少し触れましたが、ここまでのアクセスは決して楽とは言えません。しかしそれでもアクセスするだけの価値がこの景色にはあります。

ここまで紹介してきたように、布引観音は山の上にあります。そのため駐車場から参道、そして本堂にかけて桜が咲いています。特に見どころなのは観音堂の懸崖造りの建物とその周辺に見える桜の姿です。小諸の雄大な景色と観音堂、桜との絶景は長野の桜を楽しみたい方にはぜひおすすめです。

また紅葉の方は長野の紅葉特集でも見どころスポットとして取り上げられるほど有名であり、毎年多くの観光客がそれを見るためにアクセスします。紅葉の見頃の時期は11月上旬から中旬ごろとされています。春の桜もそうですが、秋の紅葉は特に駐車場に着くと岩山が紅葉におおわれる景色を見ることができます。

本堂へアクセスする石段にも紅葉の落ち葉が積もり、本堂や観音堂と美しく色づいた岩山との組み合わせが非常に美しいです。特に観音堂は朱塗りの懸崖造りの建物と紅葉との色合いが美しく、この景色を見るために長野県外からも多くの観光客が訪れるそうです。

布引観音はもちろんいつでも参拝できますが、長野観光ということを考えると、桜や紅葉の時期にするとさらにいいかもしれません。景色を楽しみ、温泉でその疲れをいやすという観光ルートもまたおすすめです。ぜひ春秋の観光を計画するときに検討してみるとよいでしょう。

ちなみに、布引観音から車でわずか2分ほどのところに、なんと温泉もあります。その名も布引観音温泉といいます。先ほど老婆が布を取ろうと祈りをささげて、そこで石になったと紹介しましたが、実はその場所こそこの温泉が出ている場所だというのです。

布引観音温泉の源泉は47度くらいのナトリウム塩化物泉で、その含有成分は東信州で一と言われているそうです。布引観音温泉の面白いところは3種類の温泉があるところです。布引観音温泉では地下140メートルから23度の深井戸水もくみ上げており、これを使うことで3種類の温泉を用意しているのです。

布引観音温泉には、源泉そのままの44度くらいの熱めのお湯、23度の深井戸水、そして40度くらいのお湯があります。これらを交互浴すると体の芯まで温まります。布引観音までの山道を歩いて疲れた後は、この温泉で身も心もほっこりするのもおすすめです。

布引観音の御朱印

それでは次に、布引観音の御朱印情報について紹介します。布引観音は観光スポットでもあると同時に、パワースポットとも言われており、参拝客も多いお寺です。また信濃三十三観音霊場にもなっているので、御朱印をいただこうという方も多いようです。

まず、御朱印をいただく場所は、先ほど触れたように本堂近くの社務所となります。「信濃三十三観音霊場二十九番」である旨の御朱印が右に、釈尊寺の御朱印が左に、そして中央に「布引観音」の御朱印が捺されます。そして中央に「大悲殿」、右に山号「布引山」、左に寺名「釈尊寺」が揮毫されます。

この御朱印の上に揮毫される「大悲殿」とは観音様が祀られている建物のことをあらわす言葉だそうです。「大悲」が観音菩薩の別名だからだそうです。ぜひ御朱印もいただいて帰りましょう。

布引観音の基本情報・アクセス

それではここまで紹介してきた布引観音へのアクセスや駐車場情報、そして拝観時間などの基本情報を確認しておきます。布引観音は駅からの距離があり、徒歩で行くのは難しいため、車やレンタサイクルなどを利用してアクセスすることが多いので、時間は余裕を持たせることがおすすめです。

拝観料・拝観時間

まず拝観時間と拝観料からです。布引観音は拝観時間のきまりが特になく、年中いつでも自由に境内を参拝することができます。拝観料も無料です。では御朱印をいただく場合はどうするかというと、社務所に声をかけるとお寺の方が書いてくれるそうで、少し時間がかかるかもしれないとのことでした。

ですから、時間が気になる方は先に御朱印帳を預けて、観音堂などの参拝も済ませてから受け取るという方法を取るのがよいかもしれません。

アクセス・駐車場情報

次にアクセスです。布引観音は住所としては長野県小諸市なのですが、位置としては隣にある東御市と境の場所になります。ですから最寄り駅からは車もしくはレンタサイクルなどを利用してのアクセスとなります。

最寄駅はJR、しなの鉄道「小諸」駅となります。遠方からアクセスする方は北陸新幹線を利用し「佐久平」駅まで行き、そこで小海線に乗り換えるか、「軽井沢」駅からしなの鉄道でアクセスするか、どちらかの方法を取ることになります。

駅からは今述べたように、車もしくはレンタサイクルなどでのアクセスとなります。タクシーで10分ほど、レンタサイクルでは25分ほどかかります。レンタサイクルを使う場合は行き帰りに起伏があるため、電動タイプをおすすめします。

また、車でアクセスする場合の最寄りICは上信越自動車道の「小諸」IC、「東部湯の丸」ICとなります。小諸ICからは15分ほど、東部湯の丸ICからは20分ほどです。先ほど紹介した布引観音温泉を目標にするとわかりやすいとのことです。

このように車を利用すると、釈尊寺の下のところに到着します。ここが駐車場となります。この駐車場には10台ほど駐車できますが、桜や紅葉シーズンの最も混雑している時でもなければ、この駐車場で問題なく駐車できるでしょう。紅葉や桜の時は、この駐車場から見る岩山の景色もまた見どころとして知られています。

釈尊寺には、先ほど触れたように、ここから石段を登っていかなければなりません。ここからの所要時間が徒歩で15分から20分かかります。駐車場のところに木の杖もあるので、心配ならば持って行きましょう。歩きやすい靴と動きやすい格好で行くことをおすすめします。また、冬は積雪や凍結の可能性があるので特に注意が必要です。

布引観音周辺のおすすめスポット

最後に、布引観音と一緒に観光したいおすすめスポットを紹介します。布引観音がある小諸市は江戸時代は小諸藩の城下町であり、北国街道の宿場町、商都として栄えました。景色も美しく、見どころも多いため、その雰囲気を楽しみたいという方が多く観光に訪れています。

小諸城跡

小諸城は1487年に築城されたと言われ、安土桃山時代から江戸時代にかけて近世城郭に生まれ変わりました。城下町よりも低地にあり、市街地から城内を見渡すことができるという珍しい構造を持ちます。日本100名城にもなっています。

この城跡は現在、小諸城址懐古園として整備されており、中には動物園や博物館、藤村記念館などがあります。またソメイヨシノが多数植樹され、日本さくら名所100選に選ばれています。こちらの桜はソメイヨシノで、布引観音の桜は枝垂桜なので、両方見比べてみるのもおすすめです。もちろん紅葉の時期も見どころが多いです。

大塚酒造

小諸城跡にある藤村記念館の「藤村」とは、島崎藤村のことです。藤村は1899年に小諸義塾の英語教師となり、この地に住んで「千曲川のスケッチ」などを書きました。この藤村の「千曲川旅情の歌」に「にごりざけにごれるをみて」という歌詞が出てきます。この「にごりざけ」は大塚酒造の「浅間嶽」というお酒だと言われています。

大塚酒造は江戸末期、天保年間(1830年から1844年)に創業した酒屋さんです。2階には酒造資料館があり、酒造りの道具や酒器などの展示をしています。もちろん試飲もできますので、ぜひ味わってみてください。

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布引観音へありがたい絶景を見に行こう

「牛に引かれて善光寺参り」という言葉は聞いたことがありますが、ゆかりの観音様があるということは知らない方も多いのではないでしょうか。布引観音は珍しい場所にあるお寺で、行くのは少し大変ですが、苦労した分絶景も楽しめ、パワースポットの力も期待できます。ぜひ布引観音でありがたい絶景を拝んできてください。

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この記事のライター
茉莉花

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