ベネズエラの治安は最悪で旅行は危ない?世界一危険な原因や注意点も解説!

ベネズエラの治安は世界で最悪と言われています。特に首都カラカスの治安は年々悪化していて、凶悪な犯罪が多発しています。ここではベネズエラの治安悪化の原因やカラカスの治安状況などをお伝えします。またベネズエラを訪れる際の注意点もお伝えしましょう。

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目次

  1. 1 ベネズエラの治安について調査
  2. 2ベネズエラの治安が悪い原因
  3. 3ベネズエラの治安情勢
  4. 4ベネズエラの首都カラカスの治安
  5. 5ベネズエラ観光時の注意点
  6. 6ベネズエラでその他に注意したいこと
  7. 7ベネズエラ観光は安全確保を念入りに!

ベネズエラの治安について調査

ベネズエラは南アメリカの北部に位置する国で、カリブ海・大西洋に面しています。正式名称をベネズエラ・ボリバル共和国といい、首都はカラカスです。ブラジル・コロンビア・ガイアナと国境を接し、南アメリカの中でも自然豊かな国とされています。

ベネズエラは世界自然遺産に登録されたカナイマ国立公園やギアナ高地、美しいビーチなどのダイナミックな自然や、首都カラカスの近代的な建築物など様々な観光スポットがあります。加えて、バスケットや野球などスポーツが盛んで、音楽やアートなども楽しめます。

そんなベネズエラの治安は現在、世界でも最悪のレベルと言われています。ここではベネズエラの治安状況や悪化の原因、注意したいことなどをお伝えします。

ベネズエラは最悪レベルの治安

世界経済フォーラムが2018年に発表した報告書によると、ベネズエラの治安は世界でも最悪のレベルで、1位のエルサルバドルに次いで、2位とされています。殺人事件の発生率は世界で1~2位と高く、東京の100倍を超えています。

首都カラカスでは身代金目的の誘拐が多発しており、その多くが拳銃など武器を使用したものとされています。警察は機能しておらず、街は危険で旅行者は決して一人では歩いては行けないと言われています。

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ベネズエラの治安が悪い原因

1999年以降、ベネズエラの治安は悪化の一途をたどっていて、現在は世界でも最悪のレベルと言われています。その原因は経済状況が悪く失業者や貧困者が増加しているからだとされています。

物価が安いものの人々の収入が少なくて買うことができず、生活は厳しいのが現状です。食糧不足が続き、経済危機が起こっています。それによってデモや暴動が多発しており、政府がコントロールできない状態になっています。

経済危機

ベネズエラは資源が豊富な国で、中南米で最も豊かな国と言われていた時期もありました。そんな国が世界で最悪の国になった原因は、原油価格の大暴落にあります。

ベネズエラでは1914年に世界で最大級の原油が発見され、それまでの農業国から豊かな国へと生まれ変わりました。しかしオイルマネーに頼りすぎた結果、国内産業が発達せず、2014年に原油価格が大暴落すると経済が一挙に悪化しました。

政府は経済の危険な状態から抜け出そうと紙幣を大量に発行し、それがインフレを引き起こしました。インフレ率はなんと100万%にもなったとも言われています。紙幣は紙くず同然となり、たった一つの物を買うのに大量の札束が必要となりました。

デモや暴動の多発

そのような経済の悪化が原因で、国民の怒りは政府に向けられるようになりました。特にベネズエラの首都カラカスではデモや暴動が多発し、多くの死者が出ました。食糧不足は最悪となり、国民の大半が栄養失調の状態にあると言われています。

失業者や貧困者が増えるにつれ治安も悪化し、現在は世界でも最悪と言われるようになりました。それが原因で、多くのベネズエラ人が国を離れて行きました。特に高学歴の人や裕福層が多く海外に脱出したため、国の治安や経済はさらに悪くなりました。

中でも医療関係の悪化は著しく、医師不足は深刻です。ベネズエラでは医師だけではなく医薬品も不足しており、病気になったら注意が必要です。

ベネズエラの治安情勢

ベネズエラの治安は経済が悪化したことに原因があります。その結果、政情が不安定になり、ハイパーインフレが起こりました。

またそのことが引き金になって食糧不足や医師不足、インフラの悪化など最悪の状況となり、かつては美しかった国に訪れる旅行者はほとんどいなくなってしまいました。

銃社会

治安悪化が原因で、ベネズエラは銃社会となってしまいました。ベネズエラでは銃器の所有は許可制なのですが、実際は違法に入手された銃器が多く出回っています。

政府は市中に出回っている銃の数を減らそうと様々な政策を打ち立てていますが、治安が悪いことが原因で銃の流通はストップがかかりません。

首都カラカスでは犯罪者が銃を持っていることが多く、警察との撃ち合いも多く起こっています。一般市民が巻き添えに合うことが多く注意が必要です。

テロ・ゲリラ

ベネズエラでは治安の悪化が原因で銃器が大量に市中に出回っています。武器の保有数は世界の国々の中でも上位に位置しています。ベネズエラと隣接するブラジルやコロンビアで活動している犯罪組織は、ベネズエラへの武器の密輸を積極的に行っていると言われています。

ベネズエラのウゴ・チャベス前大統領と、その後任のニコラス・マドゥロ現大統領は、大量の武器をロシアなどから購入し、こうしたゲリラ組織に積極的に与えているとも言われています。

ベネズエラのゲリラ組織は、このようにして入手した武器を使用してテロをや強盗、身代金誘拐などの犯罪を行っており、常に危険が伴っています。

爆弾事件

ベネズエラでは爆弾事件もいくつか起こっています。2018年8月、ドローンを使ってマドゥロ現大統領に対する暗殺未遂事件がありました。市販のドローンに爆弾を仕掛けた初めての爆弾事件として、世界中で報道されました。

計画したのは反政府主義のゲリラ組織でした。この日、マドゥロ大統領がカラカスで開催されていた軍事パレードで演説していると、突然、2基のドローンが頭上で爆発し、爆音が鳴り響きました。

マドゥロ大統領にケガはありませんでしたが、国家警備隊の隊員7人が負傷しました。この爆弾事件で数10人が逮捕されましたが、容疑者の一部は現在も逃走中とのことです。

薬物事件

治安が最悪な状態にあるベネズエラでは、薬物事件も多く起こっています。米司法省は、マドゥロ大統領が麻薬テロや麻薬密輸に関わっているとして起訴したというニュースも伝わっており、薬物事件は深刻化しています。

ゲリラ組織が麻薬を所持しているケースも多く、一般市民が闘争に巻き込まれるケースが多発しています。ベネズエラでは旅行者がそうした薬物事件に巻き込まれることもあります。もしベネズエラを訪れるのであれば、薬物に関しての注意が必要です。

ベネズエラの首都カラカスの治安

ベネズエラの首都カラカスは人口290万人で、南米でも有数の大都市です。スペイン人が17世紀に入植して作られた都市で、現在は5つの市から形成されています。

ベネズエラの治安は世界で最悪と言われていますが、特に首都カラカスの治安は非常に悪いとされています。強盗や殺人、身代金を目的とした誘拐が多発しています。カラカスの中でも経済の中心であるチャカオ市の治安が最悪と言われています。

空港の治安

それでは首都カラカスの空港の治安について見てみましょう。マイケティア国際空港はカラカスの玄関口となる空港です。空港でも犯罪が多発しています。

トランジットエリアでは荷物の置き引きが多く発生しており、中でも飛行機の発着が多い午前中に多く事件が起こっています。

さらに、飛行機に預けた荷物が開錠され中の物が盗まれたケースや、入国管理業務を行う兵士が旅行者を恐喝し金品を奪うケースも起こっています。また国内線ターミナルでは発砲事件が起こっています。

カラカスの国際空港をはじめ、ベネズエラの国内線は遅延することが多くあります。特に目的地に夜遅く到着するような場合は注意が必要です。

タクシーでの移動も危険

マイケティア国際空港から市内へタクシーで移動する際も危険が伴うので注意が必要です。空港と市内の間にある高速道路では、タクシーを強制的に停めて金品を強奪する被害が多発しています。

またタクシーの運転手が拳銃を使って脅し、客の金品を奪うケースも多く起こっています。マイケティア国際空港など、空港からのタクシーでもこのような事件が起こっているので注意が必要です。空港からはタクシーを利用せず、知人などに送迎を頼むのがおすすめです。

市内の治安

カラカスでは治安が最悪な状態にあり、以前は安全とされた地域でも危険が高くなっています。夜間だけでははなく、日中も路上で恐喝や強盗、誘拐などの凶悪な事件が多発しています。

カラカスでは米ドルでの取引が可能になり、米ドルや米ドル以外の外貨を持っている外国人が狙われるケースが多くあります。特に日本人は多額のお金を所持しているというイメージがあり、狙われやすくなっています。

市内では路線バス、地下鉄駅構内、路上などでスリが多く起こっているので注意してください。また地下鉄車内でもスリや強盗が起こっているので、できるだけ公共交通機関を利用しないようにしてください。

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ベネズエラ観光時の注意点

ベネズエラには観光で訪れる人はあまりいないのですが、もし観光で訪れる場合の注意点をいくつかお伝えします。

ベネズエラを訪れる際は最悪の治安ということを忘れずに、常に身の回りの危険に注意し、安全に心がけるよう注意をしてください。

旅行制限地域

ベネズエラでは一般の旅行者が立ち入ることができない旅行制限地域あります。アマゾンの原住民居住地区やロライマ山は旅行制限地域となっているので注意してください。また油田など許可が必要な地域もありますので、現地で最新の情報を入手するようにしてください。

旅行制限地域と同時に注意しなくてはいけない点は、写真撮影です。ベネズエラでは、軍施設や大統領官邸、銀行など写真撮影が禁止されている建物や場所がありますので、こちらも現地の情報に詳しいエージェントなどに確認するようにしてください。

荷物の取り扱い方

ベネズエラでは出入国の際の荷物検査は国家警備軍が行っており、他の国よりも厳しい傾向があります。できるだけ怪しまれるような荷物は持ち込まないほうが安全です。

検査の際に賄賂を要求することもありますので、そのような時は毅然とした態度を取り、他の職員を呼ぶなどし複数の人数で話し合い、説明を要求するようにしてください。

またマイケティア国際空港では出迎えスペースを出たところにポーターが待ち構えていて、荷物を奪い合うようにして車のところまで運び、法外なチップを要求することがよくあります。ポーターが不要であれば、最初からはっきりと断るように注意してください。

国内の問題に対して中立

ベネズエラでは外国人旅行者に対し、ベネズエラの国内問題に関して中立を保つよう求められています。

これは法律で定められていますので、政治や経済、宗教、国際問題などに対しての発言は注意が必要です。

在留届・たびレジ

ベネズエラを訪れる前に、外務省の海外安全ホームページで旅行制限地域を確認してください。2020年3月現在、ベネズエラには全土にレベル1「十分注意してください」とレベル2「不要不急の渡航は避けてください」という注意情報が出ています。

特に首都カラカスやその周辺にはレベル2「不要不急の渡航は避けてください」という注意情報が出ていますので、観光で訪れることは控えるようにしてください。

3か月未満の短期渡航者は、外務省の「たびレジ」の登録が求められています。また3か月以上滞する人は、在ベネズエラ日本国大使館に在留届を提出する必要があります。

旅券・身分証明書の携帯義務

ベネズエラではパスポートなど旅券・身分証明書の携帯義務があります。警官の職務質問を受けた際に、これらの証明書を提出できないと警察へ連行されることがあります。

また最近は旅券・身分証明書が不携帯の際、賄賂を要求する警官も増えていますので、危険な状況に陥らないよう注意が必要です。

ベネズエラでその他に注意したいこと

ベネズエラでは上でお伝えした以外にも危険に遭わないよう様々な注意が必要です。首都カラカスでは、高級ホテルでも多くの被害が報告されています。ホテルのスタッフや警官を装って部屋に押し入り、金品を奪うなどのケースが多く起こっています。

ベネズエラではクレジットカードの被害も多く起こっています。後に不当な金額を請求されないよう、クレジットカードで支払う時は目の前で支払処理を行うようにしてください。

ベネズエラは車社会で交通マナーも悪いため、交通事故が頻繁に起きています。日本の5倍以上とも言われていますので、道路を渡る際には十分注意しましょう。また自分で車を運転する際には危険に気を付けて運転してください。

ベネズエラを訪れた際には衛生状態にも注意が必要です。不衛生なレストランも多いので、調理されたものでも気を付けてください。また生水などは飲まないようにしましょう。

ベネズエラでは熱帯地方特有の感染症もあります。病院の医療体制は悪いので、病気になっても十分な治療を受けられないこともあります。

ベネズエラ観光は安全確保を念入りに!

ベネズエラは治安が世界でも最悪と言われていて、気軽に観光に行けるような場所ではありませんが、もしベネズエラに行くことがありましたら、身の回りに注意し安全を確保するようにしてください。

また外務省のホームページなどで常に最新の情報を入手するようにし、危険な行動を控えるように注意しましょう。

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この記事のライター
Momoko