「有松絞り」は名古屋の伝統工芸品!鳴海絞会館の絞り体験も人気!

名古屋の代表的な伝統工芸品である「有松絞り」は江戸時代初期からの歴史を持ち、日本の絞り製品の大半がこれであると言われるほどに広く利用されています。そこで有松絞りの歴史や特徴、そして実際に見学体験できる施設などについても合わせて紹介します。

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目次

  1. 1有松絞りとは
  2. 2お土産物や浴衣に使われる有松絞り
  3. 3有松絞りの歴史
  4. 4有松絞りの作業工程
  5. 5名古屋観光のおすすめスポット「有松・鳴海絞会館」
  6. 6有松絞りのお土産にはなにがある?
  7. 7有松絞りの世界を堪能しよう

有松絞りとは

日本の各地にはさまざまな伝統工芸品があります。旅行などに行った際にお土産として購入した経験がある方は多いでしょう。また近年では伝統工芸の会館などで作品作り体験ができるところも増えてきました。その中で名古屋の「有松絞り」について、その歴史やお土産品、体験プランなどについて紹介します。

お土産物や浴衣に使われる有松絞り

「有松絞り」というのは愛知県名古屋市の有松・鳴海地域で作られる織物です。名前の通り絞り染めで作られます。有松・鳴海地域で作られることから、有松・鳴海絞りと呼ばれたり、有松絞り、鳴海絞りと別々に呼ばれたすることもあります。

有松絞りという名前そのものは知らない方もいるかもしれませんが、実は日本国内の絞りの製品の大半は有松絞りであると言われるほどの大生産地となっており、さらに長い歴史を持つことから1975年には国の伝統工芸品に指定されました。

木綿の布を藍を使って染めたものが定番ですが、絞りの模様は糸をくくることで作り出します。そのためそのくくり方で模様が変わり、最盛期には100種類以上、現在でも70種類以上という多様な種類があります。この種類の多様さは世界一とも言われるほどで、他には見られません。

しかもこの模様を作るのは基本的にすべて手作業であることから手間も時間もかかることから、有松絞りは工芸品としての価値も非常に高い商品となっているのです。そのため、お土産品としても人気が高くおすすめとなっています。

柄が美しく、さらに生地が軽やかで涼しい感触であることから、特に浴衣地として人気が高く、浴衣の他さまざまな商品に加工されてお土産品などとしても日本はもちろん世界的にもよく知られるようになっています。

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有松絞りの歴史

さて、この有松絞りですが、その歴史は江戸時代初期にさかのぼります。もともと絞り染めとして有名なのは京都の京鹿の子ですが、絹に絞りを施すため高価で、とても一般の人が気軽に触れることができるものではありませんでした。

しかし日本に木綿が到来し、藍染めが盛んにつくられるようになると、木綿の布に藍で模様を作る絞り染めが各地で作られるようになります。その一つが九州豊後の豊後絞りでした。これが有松絞りの誕生につながると言われています。

有松絞りの誕生

一般的に知られている説は、1610年から14年にかけて天下普請として作られた名古屋城の築城です。この時普請のために名古屋には多くの人々がやってきました。その中に豊後から来た人々が含まれていました。その人々は絞り染めをした着物を着用していました。

この着物を見た竹田庄九郎は、当時この地で生産が始まっていた三河木綿、もしくは知多木綿に絞りをほどこした手ぬぐいを作り、街道を行きかう人々にお土産品として販売しました。これにより、名古屋周辺を中心に新たな絞り染めが広まったと言われます。

また、同じく江戸時代の初期に豊後府内藩の藩医であった三浦玄忠が尾張国に移住した際、その妻がこの技法を伝えたという説もあります。有松絞りの中には豆絞りという技法があり、それが「ぶんご」「三浦絞り」と呼ばれ、伝統工芸品の技法の中にも含まれています。

有松絞りと尾張藩

このようにして誕生した有松絞りが盛況となった背景には、尾張藩の手厚い庇護を忘れることはできません。もともと有松絞りの産地である一帯は、このころは松林が繁る荒野だったのです。この地を通る旅人を守るため、1608年、尾張藩では、この地に移住を奨励する勅令を出します。

この奨励に従いこの地に移ってきた一人が、先ほど述べた竹田庄九郎です。移住はしたものの、丘陵地で耕作にはあまり適さなかったこの地で作り始められたのが「有松絞り」でした。もともとは有松絞りの生産を有松で行い、販売を鳴海で行っていました。

寛文年間(1661年から73年)に新たな絞り染めである「錣絞り」が開発されると、これが馬の手綱に適しているということで広く知られるようになり、藩主に献上されます。さらに技術の発達により旅人の目を引くようになると、一気に有松絞りは有名になりました。

しかし、他の地域で作られたものの中には質が今一つなものもあったことから、1781年、尾張藩は会所を作り、営業独占権を与えることで有松絞りを保護します。こうして作られた有松絞りは、東海道を往来する人々の土産物として全国に知られるようになりました。

有松絞りは「東海道五十三次」に名産品として描かれるほか、役者絵や美人画の衣装にも使われました。また「東海道中膝栗毛」にも登場人物のセリフに出てくるなど、江戸時代の人々に広くその存在が知られるようになります。

明治以降の有松絞り

明治時代になると尾張藩の庇護がなくなり、名古屋など周辺地域などでも作られるようになったことから、いったんは衰退した有松絞りでしたが、販路の拡充、新しい技術の開発、そして一部機械化による生産性の向上によって、ふたたび勢いを増していきました。

第二次世界大戦では戦時統制により原料が手に入らなくなり、転廃業が相次ぎます。しかし戦後になり、高度経済成長期に入ると、工芸品が見直されるようになったことから再びブームを迎えます。その後伝統工芸品に指定されたことから振興のためのさまざまな取り組みがなされるようになっています。

現在では有名なデザイナーが有松絞りを新素材の布地に使ったもので作った服をコレクションに出すなどすることで有松絞りは新たな展開を見せています。さらに有松絞りの模様をイメージしたパンなども販売されるなど、全国的に知られるようになっているのです。

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有松絞りの作業工程

それでは有松絞りはどのようにして作られるのか、その作業工程について紹介していきましょう。ここまで述べてきたように、有松絞りは非常に手間がかかる作業であり、江戸時代には周辺地域に住む婦女子が賃稼ぎとして行っていたこともありました。そのため特にくくりの技法はその地域の人々に受け継がれて現代に伝わっていると言われます。

有松絞りの作業工程はまず、形彫りから始まります。小刀などを使い、図案に基づき型紙に穴をあけていきます。できたらそれに糊を刷り込んだり湯のしをしたりして、布地にうまく下絵がつくようにします。

型紙の準備ができたら、今度はその型紙を布地に当て、露草からとった青花液を使って下絵を布地に刷り込んでいきます。この下絵はくくり作業が終わると消されます。

下絵ができたらいよいよ有松絞りのメイン作業であるくくり作業に入ります。先ほども述べたように有松絞りには多様な模様があり、模様によりくくり方もさまざま、使う道具も異なります。そのため通常は4人から5人の絞り職人の手により部分ごとに加工が行われていきます。

くくり作業が終わったら作業の際についた汚れを落とし、染めに入ります。染め分ける場合は他の場所につかないように防染することもあります。染めは専門の染め職人が行います。

染めができたら、先ほどくくった糸をほどき、きれいな模様を出します。それから浴衣などにする反物にしたり、仮縫いまでして図案がわかるようにしたりという手順で製品にしていくわけです。

名古屋観光のおすすめスポット「有松・鳴海絞会館」

さて、このようにして有松絞りについての知識を得たところで、実際に有松絞りの商品を見てみたいところです。有松絞りを見たいという方におすすめしたいのが、名古屋市にある「有松・鳴海絞会館」です。この会館に行くと有松絞りについてさらに知識を深めることができるのでおすすめです。

では、有松・鳴海絞会館ではどのようなものを見聞きすることができるのでしょうか。また浴衣などのお土産などはあるのでしょうか。そのあたりも含めて紹介しましょう。

有松絞りの歴史資料が閲覧できる

現在、有松絞りの産地である有松と鳴海は同じ名古屋市緑区にありますが、もともとは別の郡に属しており、別の地域となっていました。そのこともあって、1984年に作られたのが「有松・鳴海絞会館」です。この会館が作られることで、有松と鳴海は協力関係ができ、伝統工芸品としても一括して認められるようになっています。

有松・鳴海絞会館では、有松絞りに関する歴史資料などをわかりやすく展示しています。特に1階にある展示即売場では、有松絞りのお土産品などの商品を一堂に並べており、有松絞りの多様性を感じ取れるようになっています。

また、こちらの会館では伝統工芸士の方が実際に絞りの実演をやっています。会館が開いている時ならば9時30分から16時30分まで2階で実演をしているため、目の前でどのようにして絞りができていくのかがわかり、ぜひおすすめしたい展示です。

ですから、こちらの会館は名古屋の観光スポットの一つとしても知られるようになっており、中には社会見学などで子供たちもよく訪れます。実際に見るとその技術の高さに驚くという方が多いです。

ただし、2021年3月現在、絞りの実演は見合わせとなっており、再開時期も未定となっています。再開の際には公式サイトなどで通知があることが推測されますので、名古屋に行った時に見学したいという場合は事前に確認をすることをおすすめします。

有松絞りの体験教室

有松・鳴海絞会館でもう一つ人気が高いイベントとして挙げられるのが「絞り教室」です。絞り教室というのは体験実習ができるもので、実際に有松絞りの商品を自分で作る体験ができるのです。

もちろんいきなり浴衣などを体験できるのではなく、ハンカチやテーブルセンター、Tシャツなどに有松絞りをすることを体験します。体験する商品によって料金や所要時間は少し違いますが、映画や展示室の見学などで1時間、それに商品によって1時間から2時間の体験時間がかかります。

もちろん有松絞りの体験の際に必要な用具や材料はすべて用意されており、体験では絞りの糸をくくるところだけを行います。くくりができたものは会館のほうで染色を施し、お土産品として約3週間後に家に返送してくれます。

名古屋のお土産はいろいろありますが、自分で有松絞りをしたものはまさに世界に一つだけ、オンリーワンのお土産です。時間はかかりますが、実際に体験することでさらに有松絞りの魅力がわかるでしょう。ぜひ行くならば体験プランをおすすめします。

予約方法・料金詳細

では、この絞り教室はどのようにして体験できるのでしょうか。有松・鳴海会館の絞り教室は完全予約制となっており、前もって予約をすることが必要です。体験できるものはハンカチ、テーブルセンター、のれん、エプロン、Tシャツから選ぶことができます。

かかる時間はハンカチが約1時間、テーブルセンター、のれんが約1時間半、エプロン、Tシャツは約1時間半から2時間かかります。先ほども述べたように、これに映画や実演、展示室の見学などの時間が1時間かかりますので、所要時間は2時間から2時間半となります。

次に料金です。ハンカチなどは900円から1100円程度でできますが、Tシャツなど大物になると料金は3400円ほどになります。大きいものになると所要時間や料金が上がりますので、料金とかけられる時間を考えて作るものを選ぶことをおすすめします。

また、先ほど述べたように体験で作った商品はその場でお土産として持ち帰ることができるのではなく、その後染色をして商品にして送ってもらうことになります。送ってもらうための費用として送料がかかります。名古屋市内の方はプラス520円、名古屋市外は620円です。

また、こちらの有松絞り体験もまた、2021年3月段階では行われていません。こちらも再開が決まれば公式サイトなどで通知があるので、行く前に合わせてチェックをおすすめします。

有松絞りのお土産にはなにがある?

最後に、有松絞りのお土産品について紹介します。最初に述べたように、有松絞りは生地が軽く、涼しい感触であること、また柄が多様で美しいことから、特に浴衣の生地として人気が高いです。浴衣を着る機会があるという方であれば、有松絞りの浴衣はびったりのお土産となるでしょう。

しかし近年ではそもそも浴衣など着物を着る機会がないという方も多く、しかも浴衣だと値段もそれなりにするということで、ちょっと大変という方もいるかもしれません。

そのため、有松絞りの浴衣地をさまざまな商品にアレンジしたものが多くお土産品として流通しており、むしろこちらがおすすめということも多いです。例えば「まりちゃんバッグ」は有松絞りの浴衣地を使って作った小ぶりなバッグで、女性におすすめです。

また、浴衣地以外では有松絞りの豆絞りをアクセントに使ったおむすびポーチや、綿シルクのストールなどは現代的であり、日常的にも使いやすい商品として人気です。もちろんお土産にもおすすめで、他の場所では手に入らない特別感もあります。

2020年から人気が高まっているお土産品には布マスクがあります。飛沫感染予防のためマスクをすることが必要になってきた時期に、綿100パーセントのガーゼハンカチでできている布マスクはおしゃれとして人気が高く、すぐに売り切れてしまうほどだそうです。

有松絞りの世界を堪能しよう

有松絞りは名古屋を代表する伝統工芸品の一つであり、浴衣などの生地として人気です。最近ではふだん使いできるバッグや布マスクなどの商品も販売されており、おしゃれできれいな色合いがおすすめとなっています。ぜひ名古屋に出かけたら有松絞りの世界を堪能してください。

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この記事のライター
茉莉花

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