焼酎の「甲類」と「乙類」の違いとは?原料や味・見分け方まで徹底解説!

焼酎を購入しようとすると「甲類」「乙類」と書かれているのに気づきます。これはどういう違いがあるのか疑問を持ったことがある方も多いでしょう。そこで焼酎の甲類と乙類の違いについて、原料や作り方や味、そしておすすめの飲み方についても紹介します。

焼酎の「甲類」と「乙類」の違いとは?原料や味・見分け方まで徹底解説!のイメージ

目次

  1. 1焼酎の「甲類」と「乙類」の違いとは?
  2. 2焼酎の「甲類」の特徴
  3. 3焼酎の「乙類」の特徴
  4. 4焼酎の「甲類」と「乙類」の見分け方
  5. 5焼酎の「甲類」と「乙類」はどちらがおすすめ?
  6. 6焼酎の「甲類」のおすすめの飲み方
  7. 7焼酎の「乙類」のおすすめの飲み方
  8. 8両方を混和した焼酎もある
  9. 9焼酎の「甲類」と「乙類」の違いを楽しもう!

焼酎の「甲類」と「乙類」の違いとは?

焼酎を飲んだことがあるという方は多いでしょうが、焼酎に甲類、乙類という区別があることはご存知でしょうか。自分で焼酎を購入している方ならともかく、飲み会などで飲む程度なら意識したことがないという方も多いでしょう。焼酎の甲類、乙類の違いやおすすめの飲み方などについて紹介します。

焼酎の「甲類」の特徴

今述べたように、焼酎には甲類と乙類があります。同じ日本で作られている日本酒には、甲類、乙類という区別がないのに、焼酎にはなぜこのような違いがあるのでしょうか。

焼酎の甲類、乙類という区別は、実は「酒税法」によって取り決められているものです。つまりこの2つには厳密な違いがあります。そこでまずは焼酎の甲類にはどのような特徴があるのかという点から紹介していきましょう。

「甲類」は明治以降に導入された蒸留法を使用

まず、焼酎の甲類にはどのような定義があるのかという点からです。焼酎の甲類は「連続蒸溜」により作られ、アルコール度数が36度未満のものということになります。つまり甲類の要素としては「連続蒸溜」と「アルコール度数36度未満」という2つの要素があります。

連続蒸溜というのは明治時代にイギリスから入ってきた蒸溜方法で、もともとウイスキーを作るときなどに使う蒸溜法です。では焼酎というのばどのような手順で作るのでしょうか。

焼酎は米や麦などの原材料に麹菌を生やし、麹を作ります。この麹に水や酵母を加えてもろみを作ります。この一回目のもろみに、今度は米や麦、芋などの原料を加え、さらに発酵させ、もろみを作ります。ここまでは甲類、乙類違いはありません。

甲類はここから、連続蒸溜器を使い、もろみを連続して投入しながら蒸溜をしていきます。蒸溜を何度も行いますので、アルコール純度が高くなり、不純物が取り除かれていくことになります。

この甲類焼酎が生まれたのは1910年頃で、宇和島の酒造会社により干し芋を原料として作ったのが始まりと言われています。そのためできたころには「ハイカラ焼酎」と呼ばれたり、また「新式焼酎」とも呼ばれて大人気となっていたということです。

「甲類」の原料

次に述べる焼酎甲類の味の特徴にも関係するのですが、焼酎の甲類は何度も蒸溜を繰り返すため、原料の風味などはあまり残らないことが多いです。そのため、焼酎の甲類の場合には、一般的な麦などの穀類だけではなく、糖蜜や酒粕などを原料として作るものなどもあります。

なお、後で述べますが、焼酎には「本格焼酎」というものがあります。その場合は使う原料なども厳密に決められているため、それに沿った原料を使って作る必要があります。

「甲類」の味

今述べたように、焼酎の甲類は何度も蒸溜を行うことで、中の不純物を取り除いていきます。アルコールは水よりも沸点が低いため、この沸点の違いを利用することで、加熱するとアルコールだけが先に気化します。その気化したアルコールを集め、お酒にしていきます。

そのため、焼酎の甲類は無色透明で無味無臭に近い味のものが多いです。先ほど最初の甲類焼酎を紹介しましたが、このころの焼酎には癖があるものが多かったことから、その癖のない味が好まれ、人気が出たとも言われています。

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焼酎の「乙類」の特徴

次に焼酎の乙類は焼酎の甲類とどのような違いがあるのかについてです。今述べたように、焼酎の甲類の製造法は明治時代に日本に入ってきたわけですが、ではそれ以前、日本には焼酎はなかったのでしょうか。

日本の焼酎の起源ははっきりわかっていないのですが、文献記録によると16世紀のポルトガルの商人が、日本で「オラーカ」という米から作る蒸留酒を飲んでいるというものがあります。つまり甲類ができる前から焼酎は作られていたのです。

この連続蒸溜法が日本に入る前から行われていた蒸溜法で作られる焼酎が「乙類」の焼酎です。つまり、焼酎の甲類、乙類という区別は、今述べた連続蒸溜法が日本に入ってきたことで必要になったものなのです。

「乙類」は日本古来の製造法を使用

このように、焼酎の乙類というのは、日本で古くから行われていた蒸溜法、単式蒸溜法により作られたお酒のことを言います。この「単式蒸溜」というのは、名前の通り1回だけ蒸溜をするという方法になります。

先ほど焼酎の甲類の方で述べたように、蒸溜というのはアルコールの沸点を利用し、不純物を取り除いていきます。そのため、1回しか蒸溜を行わないということは、不純物が完全に取り除かれない状態になるということです。

また、アルコールの度数も、甲類の焼酎とは違い、アルコール度数45パーセント以下のものという違いがあります。ですから、実際に販売されている焼酎はともかく、アルコール度数の面では乙類の方が強いということになります。

「乙類」の原料

さきほど、焼酎の乙類には不純物やその香りが混じっていると述べました。不純物というとなにかよくないもののように聞こえますが、この不純物こそが焼酎の味を決めるポイントとなる部分でもあります。焼酎の乙類にはその焼酎の原料の風味や味わいが残っており、それが人気のポイントとなっています。

お酒を売っているところに行くと、「米焼酎」「芋焼酎」などという名前がついているものがありますが、これらの多くは焼酎の乙類となります。焼酎を作る際、最初の麹は米や麦でつくり、それからもろみを作りますが、そのもろみに今度は主原料を加えます。

その主原料を加えて作ったもろみを蒸溜して焼酎にするのですが、この主原料が焼酎の「原料」です。米、芋、麦、そばなどがその主原料となり、それぞれ「米焼酎」「芋焼酎」などの名前になっていくのです。

「乙類」の味

つまり、焼酎の乙類の味の特徴は、これらの主原料の味や風味、香りなどが残っている点にあります。この味こそがそれぞれの酒造会社の力の入れ所ですから、焼酎の乙類はそれぞれ個性的な味が楽しめるという点がおすすめポイントであり、また人気のポイントでもあるわけです。

ですから、焼酎の乙類はどちらかというと焼酎そのものの味わいが好きという方におすすめのタイプであり、それぞれの人によって好みがあるのが特徴です。ぜひいろいろな乙類の焼酎を飲み比べて好みのものを探してみてください。

焼酎の「甲類」と「乙類」の見分け方

では、焼酎の甲類と乙類というのは、どのようにして見分ければいいのでしょうか。酒屋さんなどで購入する場合は、「焼酎甲類」「焼酎乙類」というようにラベルに記載されているので、これを見ればすぐにわかります。

また、ここまで述べてきたように、焼酎の甲類というのは蒸溜を繰り返すため、いわゆる原料の風味などはあまり感じられません。そのため「米焼酎」「芋焼酎」などというふうに、原料名が書かれているものは乙類ということが多いようです。

なお、なぜ「甲」「乙」という名前が付けられ、古来からの作り方のものが「乙」になったのかについてはいくつか説がありますが、分類された当時、甲類の方が生産量が多かったから、また乙類の方は中小企業で作られていることが多かったからなどがあります。

「本格焼酎」とは

しかし実は、この甲類、乙類という区別はすこし問題がある言い方でもあります。その理由は、甲、乙というのがものの評価に使われることがあるという点にあります。その場合、甲と乙では甲のほうが優れているとみなされることが多いです。

そのため、焼酎の定義を知らない方から見ると、甲類に比べて乙類の焼酎は劣っているという誤解が生まれる可能性があります。そのため、乙類焼酎を作っているメーカーの中から、「本格焼酎」という定義が生まれてきました。

では本格焼酎イコール乙類焼酎かというとのそうではありません。本格焼酎を名乗るためには、いくつかの条件があります。「単式蒸溜法で作る」こと、「決められた原料を使う」こと、そして「水以外の添加物を加えない」ことがその条件です。

例えば作り方としては単式蒸溜で、アルコール濃度は45パーセント以下であったとしても、決められた原料以外のものを使ったり、水以外の添加物を加えたりした場合は、「乙類焼酎」ではあっても「本格焼酎」ではないということなのです。

つまり、本格焼酎というのは、「日本古来の方法で作られた、混じり物がない焼酎」のことをあらわすと言っていいでしょう。焼酎を選ぶ際にこのあたりのことも頭に入れて選ぶことをおすすめします。

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焼酎の「甲類」と「乙類」はどちらがおすすめ?

このように焼酎の甲類と乙類には製造法などに大きな違いがあることがわかりました。この製造法の違いは焼酎の味わいや香りにも違いをもたらしていることになるのですが、ではどちらがおすすめの焼酎なのかという点について紹介していきましょう。

まず、甲類の焼酎の特徴としては、不純物が取り除かれている分、味にも癖がなく、無色のものが多いということになります。また大量生産が可能ですから、それだけ値段もリーズナブルな場合が多いです。

一方、乙類の焼酎は蒸溜が1回しかないため、その焼酎の原料の味や風味、香りがよく残っているということになります。その分、癖があると感じる方もいますが、その癖こそが美味しさということで人気を集める面もあります。さらに、たくさん作ることができないため、生産量が少ないものも多いです。

甲類と乙類にはこのような違いがあります。そのため、次のおすすめの飲み方にも関連しますが、焼酎そのものの味わいをじっくり楽しみたい方には乙類の方が人気が高い傾向にあります。一方いろいろな味で楽しみたいなら、甲類の方が合わせやすいです。

ふだん、焼酎をどのような飲み方で飲むかによっても、おすすめの焼酎は変わってくるので、そのあたりも考えて選ぶとよいでしょう。

焼酎の「甲類」のおすすめの飲み方

それでは実際に、焼酎の甲類を飲む際のおすすめの飲み方について紹介します。ここまで述べてきたように、焼酎の甲類は不純物が取り除かれているため、無色透明、無味無臭の味わいのものが多いです。

そのため、そのままロックなどで飲むだけではなく、さまざまな割り材を使う飲み方が人気です。「チューハイ」などのように、レモンサワーやお茶ハイなど、好みの飲み物と合わせるとさらに美味しく楽しむことができます。

また、飲み方以外で言うと、梅酒を作る時に使う「ホワイトリカー」というのは、この焼酎甲類のもののことです。ですから果実酒などを自分で作るという方にとっても人気が高いお酒であり、リーズナブルに入手することもできます。

焼酎の「乙類」のおすすめの飲み方

一方、焼酎甲類はそれぞれの原料の味や風味、香りが感じられる点が人気のポイントです。ですから、その焼酎の持つ味わいを丸ごと感じられる飲み方がおすすめです。

ですから焼酎甲類で人気の飲み方はロックやストレートなど、その焼酎の味をダイレクトに楽しめる飲み方であり、お湯割りや水割りなども人気となっています。これらのシンプルな飲み方こそがその味わいを丸ごと楽しむ方法と言えるでしょう。

また、焼酎の甲類の場合、温度により味わいが変化するのも楽しみの一つです。冷やしたり温めたりすることで、その原料の風味や口当たりの変化などが感じられるため、また違った美味しさを感じることができます。その変化も楽しんでみてください。

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両方を混和した焼酎もある

さて、焼酎の甲類と乙類にはここまで述べてきたようにさまざまな違いがあることがわかりました。もちろん特徴があるということは、それがメリットとも、デメリットともなるわけです。そこで、近年では甲類と乙類の焼酎を混ぜた焼酎が作られるようにもなってきました。

焼酎の甲類と乙類のものを混ぜて作った焼酎のことを「甲乙混和焼酎」と言い、近年ではこれが焼酎のもう一つの柱として人気となってきています。そこで最後に甲乙混和焼酎の特徴とおすすめポイントを紹介します。

「甲乙混和焼酎」の特徴は?

甲乙混和焼酎の特徴は、それぞれの焼酎の持つメリットが生かされているという点にあります。甲類焼酎は値段が安いですが、風味などはあまりありません。ここに乙類焼酎が加えられると、乙類焼酎の風味や味わいがプラスされ、それでいてリーズナブルに入手できます。

また、乙類焼酎は風味や味わいが強いのですが、その分きつく感じる方もいます。甲類焼酎を加えることでその風味や味わいをやわらげ、飲みやすくすることもできます。

甲類と乙類、どちらの割合が多いかによって「乙甲混和焼酎」、「甲乙混和焼酎」があります。先に書かれている方が割合が高いので、そのあたりもチェックして選ぶとよいでしょう。

焼酎の「甲類」と「乙類」の違いを楽しもう!

焼酎の甲類、乙類というのは、どちらかが優れているということではなく、製造法の違いです。どちらのお酒にもそれぞれのメリットがあり、おすすめの飲み方があります。

このような違いを楽しむことで、より焼酎の楽しみ方がひろがるでしょう。焼酎の甲類、乙類の違いを知り、焼酎の魅力を堪能してください。

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この記事のライター
茉莉花

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