2022年03月02日公開
2022年03月02日更新
「ウミホタル」ってどんな生物?見られる時期や生息地・おすすめスポット紹介!
ウミホタルといういきものをご存知でしょうか。美しい青い色に発光することでこの名前が付けられたウミホタルは、日本各地で見ることができる、近年人気の高まっているいきものです。発光のしくみとともに、実際に見ることができるスポットについて紹介します。

目次
「ウミホタル」ってどんな生物?
気温が高くなってくると、外で過ごす時間が長くなります。外のさまざまないきものと触れ合うのを楽しみにしている方もいるでしょう。そんな方に人気となっているのが「ウミホタル」です。ウミホタルの生息地や時期、人気のポイントやウミホタルを使った実験のしかたなどについても紹介します。
「ウミホタル」の特徴
さて、「ウミホタル」と言われても、そもそもウミホタルとはどのようないきものなのか知らないという方も多いのではないでしょうか。ウミホタルという名前からすると、海にいるホタルのようないきものと推測できそうですが、それは正しいのでしょうか。
そこでまず、そもそもウミホタルとはどのようないきもので、どのような特徴があるのか、またなぜ人気があるのかという点について紹介しましょう。
ウミホタルとは
ウミホタルは「ホタル」という名前ですが、甲殻類に属するいきものです。言うまでもなくホタルは昆虫の仲間ですが、ウミホタルは昆虫ではありません。むしろ種類としてはエビやカニ、ミジンコなどと近い仲間に属するいきものです。
ミジンコというと理科の教科書などで写真を見たことがある方は多いでしょう。実際のウミホタルもそのミジンコに似た形をしています。大きさはメスのほうがやや大きいですが、だいたい3ミリから4ミリほどと小さないきものです。
ウミホタルは透明な殻に包まれた形をしていて、お腹の側にエビのような足が7組としっぽがあり、この足を出して動きます。動いたり食事をとったりするときはこの足を使っています。またメスはこの殻の中に卵を産み、卵が孵化するまで育てます。
名前に「ウミ」と付くように生息地は海です。昼間は海底の砂の中にいます。夜になると海に泳ぎ出して、餌を食べます。雑食性で、基本的になんでも食べるのですが、ふだんは死んだ魚などを食べることから「海のそうじ屋さん」などと呼ばれることもあります。しかしゴカイやイソメなどは襲って食べることもあります。
海に住むいきものの多くは潮の満ち引き、つまり潮汐による生活リズムを持ちますが、ウミホタルは月の満ち欠けによる生活リズムで生きています。そして水温が下がると活動が少なくなりますが、完全に冬眠することはないようです。
ウミホタルはなぜ光る?
さて、ウミホタルの名前のうち、「ウミ」の理由について述べましたが、「ホタル」はどこから来たのでしょうか。ホタルと言えば美しい光を発すル生き物というイメージがありますが、実はこのウミホタルもまた、光を放つことからこの名前が付けられています。
ウミホタルは先ほど述べたように夜行性ですが、青く発光します。ウミホタルは上唇腺という器官をもっています。この中にルシフェリンという発光物質とルシフェラーゼという酵素が入っています。これが体外に放出されると、海中にある酸素と反応し、青く光るのです。
ではなんのためにウミホタルはこのような光を出すのでしょうか。ウミホタルの発光は外敵に対する威嚇のためと言われています。そのためなんらかの刺激を受けると、ウミホタルは口から先ほど紹介したルシフェリンなどを放出し、光らせるのです。
ちなみにこのウミホタルの発光物質であるルシフェリンを初めて結晶化させたのはなんと日本人です。当時このルシフェリンを精製、結晶化させるのはアメリカの大学でも20年以上にわたり研究をしていたほどの難しい問題でした。
しかしこの日本人研究者は研究を本格的に始めて10か月後の1957年にこれに成功し、大きな業績をあげます。さらに研究を続けたこの研究者は生物発光の研究の先駆者であり第一人者という評価を受け、2008年にノーベル化学賞を受賞することとなりました。
ウミホタルの光にまつわる歴史
ウミホタルがなぜ光るのかということを紹介しましたが、このウミホタルは発光するいきものの研究に大きな役割を果たしました。発光するいきものがなぜ発光するのかという研究をする際、入手しやすいウミホタルは研究材料としてとても役だったからです。
また第二次世界大戦の際、日本ではウミホタルを乾燥させた粉を使っていました。粉に水を混ぜると微弱な光が出るため、南方のジャングルなどで偵察に行く際に目印として使ったというのです。
後で紹介しますが、この性質を使い、科学実験などをするのに使うこともできます。ウミホタルの持つ青い光はその美しさで人気があるだけでなく、実験でも使われるなど、さまざま役に立つものでもあるのです。
「ウミホタル」の見られる時期
では、このウミホタルはいつごろの時期に見ることができるのでしょうか。もちろん沖縄などのように常に温暖な場所か、佐渡などのように寒い時期がある場所かなど、生息地により違いは見られるのですが、基本的に気温が低いとあまり活動しないと言われます。
そのため、ウミホタルを見たいというのであれば、春から秋の気温が比較的高い時期がおすすめということになります。それぞれの生息地で比較的気温が高い時期の夜に行くと、ウミホタルが遊泳活動をしている様子を見ることができるのでおすすめです。
ちなみにウミホタルの寿命はどのくらいで、一年のうちどの時期に生育するのかなどについてはわかっていないようです。飼育環境下では半年くらい生きたという記録もあるそうなので、そのあたりも子どもの自由研究などにおすすめかもしれません。
「ウミホタル」の生息地とは?
今述べたようにウミホタルが生育する時期は、比較的暖かい時期ということがわかりました。ではウミホタルの生育地というのはどこにあるのでしょうか。今少し触れたように、例えば子どもの自由研究などで気軽に入手可能なものなのでしょうか。
そこで次に、ウミホタルの日本での生育地というのはどのあたりにあるのかという点について紹介します。実はウミホタルは比較的日本の広い範囲で見られ、生育地がかなり広いいきものでもあるのです。
北は青森から南は沖縄まで
ウミホタルの生息地は日本の広い範囲です。北は青森から南は沖縄までですから、生息地はかなりの範囲と言っていいでしょう。基本的には太平洋側の海が生息地と言われますが、新潟県の佐渡などの日本海側でもウミホタルが見られる生息地もあります。
ただし、青森から沖縄までの海辺ならば、暖かい時期ならどこでもウミホタルが見られるというわけではありません。ウミホタルはきれいな海でなければ生息することができないのです。
そのため、ウミホタルを見るのにおすすめの生息地として人気のところは、海がきれいな公園などが多く上がっていますし、地域によってはウミホタルを探すイベントなどが行われているところもあるようです。行く前にチェックしてみるのもおすすめです。
「ウミホタル」を鑑賞できるおすすめスポット
それでは次に、ウミホタルを探したいという方におすすめの人気「ウミホタルスポット」について紹介します。今述べたように、ウミホタルそのものは青森から沖縄までという広い範囲に生息していますが、寒くなると活動があまりないとなると、ある程度温暖な時期があるところがウミホタルスポットとしては人気と言えそうです。
また、今述べたようにウミホタルは海がきれいなところが生息地となるため、ウミホタルスポットとして人気の場所は海そのものも比較的きれいなところが多いと言えそうです。
これらの条件をもとにして、ウミホタルを見たい、発光の様子を観察したいという方におすすめしたい、人気のウミホタルスポットについていくつか紹介します。ぜひ近くのおすすめウミホタルスポットをチェックすることをおすすめします。
【千葉】沖ノ島公園
千葉県の館山湾にある陸繋島、沖ノ島は無人島なのですが、磯遊びや貝殻拾いなどを楽しむことができるビーチに囲まれていて、人気の観光スポットの一つになっています。この沖ノ島公園は関東でも知られたウミホタルの生息地です。
この沖ノ島公園の手前にある「渚の駅たてやま」では、この沖ノ島公園のウミホタルを使ったさまざまなイベントが行われています。実際にウミホタルに触れて手の上で光らせたり、小瓶に入れてウミホタルのスノードームを作ったりして、実際に発光する様子を観察できます。
もちろん沖ノ島公園や沖ノ島海水浴場で実際にウミホタルが光る様子を見ることもできるため、その幻想的な風景はカップルの方などにも人気となっています。ぜひ近くに行く機会があればチェックしてみてはいかがでしょうか。
【兵庫】阿万海岸海水浴場
兵庫県の淡路島にある「阿万海岸海水浴場」もまた、ウミホタルの美しい光景が楽しめる人気スポットです。透き通るような美しいマリンブルーの海と白くなめらかな砂浜は南国のような雰囲気もあるため、カップルなどにもおすすめのスポットとして知られます。
こちらの海水浴場では10月、11月に、また近くの慶野松原海水浴場では3月から5月にかけ、「ウミホタル鑑賞会」が行われます。ウミホタルをビンで捕まえ、実際に手で触ったり、砂浜に流したりして発光の様子を観察することができます。
なお、このイベントは南あわじ市に宿泊する方限定のイベントですが、実際に海水浴場に夜に出かけてその様子を観察することもできます。行く予定が決まったら、そのあたりもチェックしてみることをおすすめします。
【香川】ル・ポール 粟島
香川県三豊市にある「粟島」はアートな島として人気が高まっている観光スポットです。この島にある「ル・ポール 粟島」という宿泊施設では、6月から9月にかけてウミホタルを見ることができます。
夏の風物詩としても人気が高いル・ポール 粟島のウミホタル鑑賞会は人気が高く、これを目的に宿泊する方もいるほどです。宿のスタッフの方が捕獲したものを夜に浜辺に放つことで、ロマンチックな光景が広がるのを楽しむことができます。
あくまでも自然に生息しているウミホタルを放っているため、その時の天気や気温、海の状況などにより見え方には違いがあるようです。行くことを計画している方はぜひウミホタルの状況のチェックをすることもおすすめします。
【新潟】佐渡島
先ほど、ウミホタルは青森から沖縄までの日本の太平洋側に生息地があると述べたのですが、日本海側でも生息地として知られる場所があります。それが佐渡島です。佐渡島は新潟県で日本海側ですが、きれいなウミホタルが見られると言うことで人気のスポットとなっています。
佐渡の中でも特にウミホタルがきれいだと言われるのが真野湾です。おすすめの時期は5月から9月くらいですが、特に6月から8月の夏の時期が中心です。新月に近い、暗い時に淡水が混ざらない砂浜のところがよりおすすめです。
なお、佐渡でも真野湾周辺を中心にウミホタルの鑑賞会を企画する場合もあるようです。夏の時期は佐渡の観光シーズンでもあり、定員にすぐに達してしまうことも少なくありません。佐渡に行く前にこちらもぜひチェックをおすすめします。

「ウミホタル」を鑑賞した人の感想
それではウミホタルを実際に鑑賞した方はどのような感想を持っているのでしょうか。今述べたように青森から沖縄までの広い地域で見ることができるウミホタルですが、鑑賞会の場合は捕獲して砂浜にまくことで発光の様子を楽しむことができます。
そのため、佐渡などのように鑑賞会を開催しているところで見ると、よりたくさんの光を見ることができるため人気が高く、沖縄などでも可能ならば鑑賞会をしているところに行くのがおすすめです。美しい光景は異世界のような魅力にあふれていると言われます。
口コミを見るとやはり鑑賞会で楽しんだ方が多いようで、その地域に住んでいて場所がわかるという方以外ならば鑑賞会があるところに行くことがおすすめと言えそうです。ぜひ沖縄や佐渡などウミホタルがいる場所に行く方は鑑賞会プランなども調べていきましょう。
「ウミホタル」で実験もできる
最後にウミホタルを使った「実験」について紹介します。実はウミホタルは子どもでも捕まえることができるため、沖縄や佐渡などで自然に見ることができる場所では実際に捕まえて楽しむことができます。
また、ウミホタルは殻に覆われており、海から出しても30分ほどなら生きていられます。鑑賞会で砂浜にまくというのはこれだからできるのです。
そこで、佐渡や沖縄など自然にウミホタルを捕まえることができるところでは、それを利用した実験をすることが可能です。実際にどのようなことがあるのか、そのあたりについて最後に紹介しましょう。
ウミホタルを捕まえる
ウミホタルを捕まえるためにはペットボトルで作った「わな」を使います。ペットボトルの上の方に穴をあけ、中に石と餌を入れ、海に沈め、10分ほど置いて引き上げるとウミホタルが入っているのが見えます。
このウミホタルをペットボトルに入れた状態で眺めたり、手のひらに乗せたりして刺激を与えると、美しい青色に発光します。先ほども述べたように30分ほどなら生きていられるので、観察したらまた海に戻すようにしましょう。
乾燥したもので発光実験
さきほど、ウミホタルの乾燥した粉を使い、第二次世界大戦の時に目印にしたと述べました。乾燥したウミホタルが手に入ったら、この実験をすることもできます。乾燥したウミホタルをすりつぶし、試験管に移し、水を注ぐと青く光る様子を観察することができます。
こちらは今述べたように乾燥した状態、つまり死んだウミホタルが手に入った場合にできる実験です。ウミホタルの美しい青い色は、なんとも幻想的であり、一度は見てみたいものの一つではないでしょうか。ぜひチャンスがあったらこれらの実験もおすすめです。
「ウミホタル」を鑑賞しに行ってみよう!
日本では青森から沖縄と広い範囲を生息地とするウミホタルは、その幻想的な青い光の美しさで各地で鑑賞会が行われるほどの人気のいきものです。生息している時期も場所によりますが比較的長く、いろいろな場所で楽しむことができます。ぜひウミホタルの幻想的な景色を楽しんでみてください。
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