2018年05月07日公開
2020年03月25日更新
ベナンの治安は安全?観光前に知りたい首都の様子や気候もチェック!
西アフリカにあるベナンは王宮跡で有名なアボメイや首都ポルトノボ、水上都市などの観光スポットが多くアフリカ諸国のなかでも治安が良いこともあって欧州を中心に観光客が増えています。ベナンの旅に役立つ治安情報や気候、ポルトノボのおすすめ観光スポットをご案内します。

目次
西アフリカの小さな国ベナンは魅力がいっぱい!
ベナンはギニア湾に面した南北に細長い小さな国です。アフリカのベネチアと呼ばれる水上都市や王宮跡が残る首都ポルトノボ、世界遺産のアボメイ、自然豊かな国立公園など魅力的な観光スポットがいっぱい。アフリカの中では比較的安全な国と言われていますが、旅行の際に気をつけたい治安情報や訪れてみたい観光スポット、気候についてご紹介します。
ベナンってどんな国?
西アフリカに位置するベナン共和国は、日本の面積の約3分の1ほどの国土を有し、トーゴとナイジェリアに挟まれた小さな国です。フランスの植民地下にあったため公用語はフランス語ですが、50ほどの民族語が話されていて様々な文化で成り立っている国です。日本でタレントとしても有名になったゾマホンさんの故郷でもあります。
ベナンはアフリカの大自然や楽園を思わせる美しいビーチ、穏やかな気候、温かく親切な現地の人々など、知れば知るほど行ってみたくなる魅力あふれる国です。過去には奴隷貿易の歴史もありましたが、今では首都ポルトノボをはじめアフリカ最大の水上都市ガンビエや世界遺産のアボメイ王宮群などを訪れる旅行者たちが増えてきています。

ベナン料理を味わってみよう!
ベナンへ旅行に行ったら、現地の料理にチャレンジしてみましょう。大西洋に面したベナンは食材が豊富でグルメも楽しめる国です。主食はトウモロコシ、キャッサバ、ヤム芋のほかお米やパスタ、パンも食べられます。ベナンの伝統料理で日本の赤飯に似たアタスィと呼ばれる辛いソースがかかった豆ご飯や、インゲン豆をつぶして揚げたコロッケのようなアタもおすすめです。
ベナン料理は西アフリカの典型的な食事で豆や肉、魚や野菜などを煮込んだスープにトウモロコシの粉で作ったウォーか日本のお餅に似たもっちりとした食感のアグーが添えられます。活気ある街コトヌーでは道沿いにたくさんの屋台が並んでいるので、ベナンの庶民的な味を楽しみたい方はぜひ足を運んでみてください。
ベナンのおすすめ観光スポット1:首都ポルトノボ
ベナンの首都ポルトノボはポルトガル語で新しい港という意味で、コトヌーに次いでベナン第2の都市になっています。かつて栄えたポルトノボ王国の王宮跡が今も残っています。人口約27万人の都市ですが落ち着いた雰囲気の街で、フランスの植民地時代の建物やアフリカ系ブラジル人様式の建物を見ることもできます。
ポルトノボは、かつてポルトガル人が新しい港(ポルトノボ)を建設し、その後フォン人が起こしたポルトノボ王国の首都となりました。現在でもポルトノボ王国時代のトファ王の王宮跡が当時のままの姿を残していて見学することができます。市内には博物館や美術館もいくつかあるので、ベナンの歴史や文化を観光するのにおすすめです。
ベナンのおすすめ観光スポット2:世界遺産アボメイの王宮群
アボメイはベナン南部にある街で、17世紀から19世紀にかけて現地のアフリカ人によって栄えたダオメ王国の首都でした。かつては土製の壁と門が10kmにわたって築かれ、そのなかに歴代の12人の王たちが築いた12の王宮がありました。竜巻により王宮跡が一部被害を受けましたが、その後修復がなされ現在は観光スポットとして見学することができます。
アボメイの王宮群のほとんどは土で作られていて、王宮の外観や内部にはさまざまな動物の彫刻がみられるのが特徴です。さらにダオメ王国のおもな収入源は奴隷貿易で、ポルトガル人に奴隷を売って利益を上げ、ヨーロッパとの結びつきを強めて繁栄していきました。アボメイの王宮群はベナンの歴史をうかがい知る興味深い観光スポットでもあります。
この王宮群は西アフリカで最も有名で、歴史的にも重要な建造物であることから1985年にユネスコ世界遺産に登録されました。ベナンで唯一の世界遺産なので、一見の価値がある観光スポットです。アボメイは首都ポルトノボから南に車で約4時間の場所にあります。ベナンへ旅行に行った際にはぜひ世界遺産の街アボメイを訪れてみてください。
ベナンのおすすめ観光スポット3:水上都市ガンビエ
ベナンにある水上都市ガンビエは、別名アフリカのベネチアとも呼ばれている有名な観光スポットの一つです。ここはベナンの南にあるノコウエ湖の上に建設された水上都市です。上空から見ると、水の上に浮かぶように家が点在していて、とても珍しい光景です。コトヌーに近いこともあって風光明媚な景色を見ようと訪れる観光客が多くいます。
人々が水上に住み始めたのには、悲しい歴史があります。ダオメ王国の時代、この地域に住んでいた人々は奴隷狩りの恐怖にさらされていました。そのため安全な場所を求めて、湖の上に家を建てて住み始めました。ガンビエには「ついに平和を見つけた人々の集落」という意味があるそうです。今ではアフリカ最大の水上集落として知られています。
現在約4万5千人が暮らすガンビエの水上集落には、家はもちろんのこと学校、病院、警察などもすべて水上にあり、一つの街になっています。湖の底から突き出ている柱の上に、竹と茅ぶきで作った高床式の家を建てて暮らしています。ほとんどの住人は漁業で生計をたて、手漕ぎの船を使って生活しています。イタリアのベネチアとはまた違った観光を楽しめることでしょう。
ベナンのおすすめ観光スポット4:パンジャリ国立公園
パンジャリ国立公園は、隣国ブルキナファソとの国境をまたぐベナン北部のタンギエタ近郊にあります。アフリカの野生動物を見られるサファリツアーがあることでも人気をよんでいます。水辺にいるワニやカバ、ガゼルの群れやホロホロ鳥、ライオン、アフリカゾウ、バッファローなど、手つかずの大自然を満喫できる西アフリカ最大規模の国立公園です。
パンジャリ国立公園はW国立公園とも呼ばれていて、園内を流れるニジェール川がWの形のように曲がりくねって見えることからきています。西アフリカの3ヵ国にまたがるスケールの大きな国立公園で、コトヌーから10時間ほどかかる場所にあるので旅程に余裕をもって回りましょう。観光する際には、コトヌーから出発する長距離バスを利用すると便利です。
ベストシーズンは乾季の11月から3月で、特に夕方から明け方にかけての時間帯はより多くの野生動物に出会えるのでおすすめです。国立公園内にはホテルもあるので、宿泊することもできます。本来の野生の姿を見られるアフリカの大自然をぜひ体験しましょう。パンジャリ国立公園は2017年にベナンの世界遺産としても登録され、これからますます注目が集まるスポットになりそうです。
住所:BP 32 Tanguiéta Benin
電話番号:+229 90 06 17 99
旅立つ前にベナンの気候をチェック
ベナンは南北に細長いため、首都やコトヌーがある南部は高温多湿の熱帯雨林気候で、中部はサバナ気候、北部は砂漠気候の3つに分かれます。年に2回、4月から6月と9月下旬から10月下旬の雨期には道路に水があふれ通行止めになることもあります。北部にあるパンジャリ国立公園は、非常に乾燥していて最高気温が46℃に達することもあります。
首都ポルトノボやコトヌーの年間平均気温は27℃ですが、2月から4月が一番暑くなるのでサングラスや日焼け止めを準備しておきましょう。観光のベストシーズンは乾期にあたる11月から3月と7月下旬から8月下旬です。乾期は湿度が下がり、カラッとしていて過ごしやすい時期です。ただ朝晩冷え込むこともあるので上着を用意しておくと良いでしょう。
ベナンは本当に治安のいい国?
アフリカのなかでも治安がよいといわれているベナンですが、旅行する際には前もって危険なエリアや注意すべき点を把握しておきたいものです。コトヌーは夜になると治安が悪くなりスリや強盗などが増えるので、日が暮れたら出歩かないほうが賢明です。また美しいビーチでも油断は禁物です。貴重品や荷物など狙われないように注意深く行動しましょう。
島国の日本とは違いベナンはいくつもの隣国に囲まれているため、テロリストや誘拐犯などが国境を越えてベナンに入ってくる可能性が指摘されています。特に北部を中心に、ブルキナファソやニジェール、ナイジェリアとの国境付近には近づかないことをおすすめします。W国立公園は治安の悪いエリアなので、個人行動を避けて安全を心がけましょう。

ベナンで安全な旅を楽しもう
これからベナンへ旅行にでかける方、一度アフリカに行ってみたいけど治安が心配という方、ベナンの旅情報はお役に立てたでしょうか?日本ではあまり知られていない国ですが、多種多様な異文化や歴史、アフリカのワイルドな大自然に触れることのできる貴重なスポットです。しっかりと安全対策をして、よい思い出になる旅を楽しみましょう。
