キリマンジャロ登山で絶景を!標高や山の特徴・おすすめの服装を紹介!
キリマンジャロはアフリカのタンザニアに位置する標高5,000m超の山で、傾斜が緩やかで、比較的登山しやすい山として知られ、世界中から登山客が訪れています。登山ルートの標高ごとの特徴、気温、服装、絶景スポットなどキリマンジャロ登山についてまとめてみました。

目次
キリマンジャロ登山のご紹介
キリマンジャロはアフリカ、タンザニア北東部にある標高5895mの山で、アフリカ大陸の最高峰です。この地域一帯はキリマンジャロ国立公園に指定されています。観光スポットとしての特徴や気温、登山のための服装や絶景スポットなどについてまとめてみました。ぜひ参考にしてください。
キリマンジャロ登山1:日本からタンザニアへ向かう
キリマンジャロのある国、タンザニア(正式名称タンザニア共和国)は、東アフリカに位置する国です。日本からタンザニアへ行くには直行便が運航されていないので、乗り継便を利用します。ヨーロッパ経由で乗り継便を利用する、カタールの首都であるドーハで乗り継ぐ、トルコのイスタンブルで乗り継ぐなどの方法があります。
航空会社ごとの説明として、成田国際空港と関西国際空港から、ドバイ経由のエミレーツ航空、アディスアベバ経由のエチオピア航空、ドーハ経由のカタール航空などを利用してタンザニアのダル・エス・サラーム空港(DAR)へ行く方法が考えられます。エチオピア航空とカタール航空はキリマンジャロ国際空港へも運航しています。
キリマンジャロ登山2:歴史
キリマンジャロの中心的な火山であるシラ峰(3962m)は、少なくとも250万年前までに活動を開始していたことが分かっています。20万年前頃には既に現在の火口は出来ていたとされます。現在の地元住民であるチャガ人は約1100年前には現地でバナナの栽培などを行っていたようです。欧米人による初登頂は1889年ドイツ人メイヤーによります。
なぜ、キリマンジャロと呼ばれるようになったのかについて諸説あります。キリマはスワヒリ語で「山」という意味です。ンジャロはチャガ語で「白」という意味です。キリマンジャロは、見た目が白く輝く山という特徴からこの呼び方になったという説明もあるようです。ちなみにマサイ人は「神の山」という意味で「ンガイエンガイ」と呼びます。
キリマンジャロ登山3:地理
キリマンジャロの特徴として、山脈に属していない独立峰として世界一の高さがあります。赤道直下、正確には南緯3度、赤道から約340キロに位置し、大型成層火山で、その大きさは南北に約30キロ、東西に約50キロとなります。東から西へマウエンジ峰(5149m)、キボ峰(5895m)、シラ峰(3962m)と連なり、キボ峰が最高峰です。
キリマンジャロはタンザニア最大都市のダルエスサラームから北西に約500kmのところに位置します。山の殆どはタンザニアのキリマンジャロ州に属します。北から東麓にかけて国境線(タンザニアとケニア)があり、ケニア方面はリフトバレー州と海岸州が位置します。ケニア側にはアンボセリ国立公園が広がっていて絶景も見られます。

キリマンジャロ登山4:標高による気候の特徴
キリマンジャロは標高が高いので気候の特徴は高山気候となります。植生の特徴も標高によって変わっていきます。山の麓(ふもと)の標高700~1000m地域の気候の特徴はサバンナ、降水量は750~1000mm、農業が営まれコーヒーなどが栽培されています。ここから上、標高3000mぐらいまでは熱帯雨林を特徴とする森林地域になっています。
標高3000mまでの地域は2つの特徴に分かれます。標高2000m~標高3000m地域はキリマンジャロの中で降雨が多い特徴があり、湿気の多い環境での発生を特徴とする常緑樹があり雲霧林が出現しています。標高約3000mで森林限界、標高4400mで植生の限界、それ以上は砂漠、標高5500m以上は氷雪地帯です。標高で特徴は異なっていきます。
キリマンジャロ登山5:標高による気温の特徴
気温は152m登ると、だいたい1℃低下します。これによるとキリマンジャロの登頂口から頂上まで、約26℃気温が低下することになります。加えて昼夜の気温差があり、頂上付近の気温は約-15℃とされます。体温が低下すると循環血液量も下がり、体力の低下や高山病の危険が出てきます。頂上付近は空気も薄く、服装も防寒対策が必須です。
キリマンジャロ登山6:登山ルート
キリマンジャロは七大陸最高峰のなかでは斜面の傾斜が緩いこと、登山道が整備されていることから、比較的登山が容易な山と言われています。キリマンジャロには年中、世界から登山客が大勢訪れます。ただし登山に最適な期間は、一般的に現地の乾季の7~9月と12~3月とされます。キリマンジャロには特徴のある複数の登山ルートがあります。
キリマンジャロの登山ルートは、マラングルート、マチャメルート、ノーザンサーキットルート、レモショルート、ロンガイルート、ウンブウエルートなどがあります。キリマンジャロの登頂は一日では達成できません。このため多くの登山者はコックなどが同行するツアーに参加して登頂を体験しています。また、入山料金を支払必要があります。
キリマンジャロ登山7:マラングルート
ルートにはそれぞれ特徴があります。マラング(64km)は4泊5日~。マチャメ(49km)は5泊6日~と高度に順応しやすい巡回ルート。レモショ(56km)は6泊7日~とゆったりルート。ロンガイ(65km)は5泊6日~でケニア国境近くからマウンエンジ峰を近くで見られるルート。ノーザンサーキット(90km)は最近開発されたルートで9泊10日~です。
一番よく利用されていて人気が高いのがマラングです。山麓南東部に位置するマラング村が出発点。他のルートと大きく異なる特徴は全て山小屋泊でベッドやトイレも完備しているため、年間を通して世界中から登山客が集まります。標高4700mまでは、緩やかな勾配が続き森林や酸性土壌の上に低い草木が茂る(ムーア)を進むルートです。
マラングルート1日目
人気のマラングルートは、出発の朝にマラングゲートで登山のための手続きを行います。そこからマンダラハットまで歩いて約3時間。この行程の半分以上は約4mほどのゆるい上り坂でうっそうとしたジャングルです。雨もよく降る地帯で、スリップしやすく注意が必要です。ジャングルを抜けると道は急になり、初日の宿のマンダラハットに到着です。
マラングルート2日目
2日目はマンダラハットからホロンボハットへ向かう約6~8時間の行程。なだらかな尾根と草原を越えて行くと、やがて岩峰(マウエンジ峰)が見えてきます。左方向に雪をかぶったキボ峰も見えてきます。緩い登り下りの道を歩き2日目の宿泊地、ホロンボハットに到着。標高は既に富士山より高いので、ここで2泊して高度順応対策をとるのも良策。
マラングルート3日目
3日目はホロンボハットからキボハットへ行く4~6時間の道程。野生の湿原地帯となり、白のエバーラスティングフラワーの群生が見られ、湿原を抜けると赤みを帯びた砂漠地帯に入ります。この平地とキボ峰との接点地域に宿泊先のキボハットがあります。キボ峰が変化しながら見える変化に富んだコースを楽しめます。
マラングルート4日目
4日目はキボハットからウフルピークへ向かいます。夜の11~12時に起床し食事後キボハットを出発します。砂地やガレ地を進み約4時間でキボ峰のクレーターの縁のギルマンズポイントに到着します。雲海ごしに、ご来光を見て感動を体験しましょう。頂上クレーターや氷柱郡を見ながらウフルピークに到着。眼下にサバンナの絶景が拡がります。
マラングルート5日目
ピークに到着した後はホロンボハットまで下山します。5日目はホロンボハットを朝出発して、昼頃に登山ゲートに到着します。お世話になった登山スタッフにチップを渡す習慣があります。事前に申し込んだツアー会社にチップについて、いくらぐらいが適切かなど聞いておくとよいでしょう。衣類や登山用品もプレゼントすると喜ばれます。
キリマンジャロ登山8:快適な服装
キリマンジャロは赤道直下に位置します。キリマンジャロ登山の場合、標高3000m以下の地域なら日本の夏、または秋の服装でも大丈夫ですが、標高が上がるにつれて気温は下がるため対応できる服装を準備します。特に頂上アタックは深夜に出発すると、気温はマイナス15℃ぐらいまで下がる場合があり、冬山登山の服装が必要です。
頂上アタックは万全の防寒対策の服装が必要です。頭にはニット帽をかぶり、気温の低下に備えましょう。就寝時に気温が下がり寒い場合は体が休まりません。服装以外に、携帯用カイロや温かい飲み物も用意すると寒さ対策になります。休憩時やキャンプサイトでも気温が低い場合はジャケットなどの服装を適宜、着こむようにしましょう。
キリマンジャロ登山には、履きなれた靴を用意しましょう。ヘッドランプとストックもぜひ携帯しましょう。服装や備品は日本で準備して現地に持っていくようにしましょう。ピッケルやアイゼンは、特に使用しなくても登頂できます。高度適応には水分も必要です。頂上アタックはマイナスの気温となるので、保温性の水筒も必携です。
キリマンジャロ登山9:高山病とは
比較的登りやすいと言われても、やはり5000mを超える高山です。注意すべきことの1つとして、高山病があります。高山病は、高地において酸素が欠乏して発症します。その症状には、疲労感、頭痛、イライラ、重症化すると吐き気、錯乱、昏睡などに至ります。症状に対して診断が行われ、休息をとる、あるいは高度を下げる対策がとられます。
高山病は血液中の酸素の量が低下することによって発症します。キリマンジャロ登山のツアーでは、血中酸素飽和度を測定する「パルスオキシメーター」や、「ガモウバック」が対策に使われます。ガモウバックとは、携帯型加圧装置とも呼ばれ、膨らませて中に入ると、下界と同じ気圧になり、高山病の対策に使用されます。
キリマンジャロ登山10:高山病を防ぐ
高山病を防止する有効な対策として、ゆっくり歩くことがあげられています。ゆっくり高度を上げていくことで、身体が気圧の変化などに順応しやすくなります。ツアーによって、頂上に立つ前に3000mぐらいの場所で2泊するなど、通常5日間ぐらいのコースを6日から7日かけて進むものがあります。なるべく時間的な余裕を持って参加しましょう。
高山病を防止するために、適切な水分補給があります。高山では空気が乾燥していて、呼吸は速く、大きくなりがちで、発汗もあり、体内から水分が失われます。標高5000mを超える登山では、1時間あたり200mlの水分が失われるとも言われます。キリマンジャロでは1日2リットルぐらいの水を持ち歩きましょう。
朝食や夕食のときに、十分に水分を補給するように心がけましょう。高山では1日あたり3~4リットルの水分を補給するようにしましょう。また、常に呼吸を意識して、酸素を体内にたくさん取り込む深呼吸を心がけてみましょう。大きく息を吸ってから2、3秒息をとめる有圧呼吸法も有効です。
高山病を予防する「ダイアモックス」という薬もあります。予防薬として、あるいは初期の高山病の治療薬として使用されます。しかしこの薬は特効薬ではないので注意が必要です。また手足のしびれなど副作用も報告されています。日本の病院で処方してくれるところがありますので事前に必ず医師に相談するとよいでしょう。
また、出発前に低酸素トレーニング室でトレーニングを受けておくのも高山病を予防する1つの有効な方法です。東京なら代々木のミウラドルフィンズなどがあります。ツアーに参加する場合などは、自分の体力や、これまでの経験とともに、事前に担当者と相談をして、旅をより安全なものとし、安心して登山を行えるように工夫してみましょう。
特に、日常生活で無理しすぎない範囲で、有酸素運動などを行って、最大酸素摂取量を高めておくのは登山に有効です。時期的に難しい場合があるかもしれませんが、日本で標高3000mクラスの山に登るのもトレーニングになります。高齢者は若者より低酸素になりやすいです。また持病のある人も、事前に医師との相談をしましょう。
体調不良を感じたら
万一、体調不良を感じたら、すぐにツアーのスタッフに知らせましょう。せっかく遠くアフリカまで来たのだから…と考えがちですが無理は厳禁です。高山病は悪化すると命にかかわります。残念ですが下山するという選択肢も時には大切です。高山病は1000mほど標高を下げると、通常は回復する傾向が見られます。
キリマンジャロ登山11:絶景ポイント
一般論ですが、キリマンジャロを麓から見て絶景ポイントと言われるのが、ナイロビ側のアンボセリです。ここから見るキリマンジャロ、特にアンボセリの日の出、日の入り前後の時間に絶景を見ることができるとされます。早朝なら4時ぐらいから山頂が紫の色合いを持ち、日の出の6時頃までが、特に光輝く絶景を見るチャンスとなります。
キリマンジャロ登山12:料理
日本の会社が主催するコックが同行しているツアーの場合、提供される食事は、日本人にも食べ慣れた食事が提供されています。トースト、おかゆ、果物、チキンなどの肉料理を中心とした煮込み料理、卵料理などが一般的なメニューのようです。飲み物は、タンザニアの主要産物のコーヒー、タンザニア紅茶などがよく飲まれるようです。
キリマンジャロ登山13:観光する
キリマンジャロ山麓にある唯一の都市はモシ市です。モシ市は人口約18万人、キリマンジャロの南麓の中央部に位置していて、主要産業は農業、特にキリマンジャロコーヒーの栽培と、キリマンジャロ山への登山客を対象にした観光の町です。モシ市にはキリマンジャロ登山のポーターやガイドも多く、観光客のホテルもあります。
日本からせっかくアフリカを訪れているのですから、ぜひ、現地の絶景、満天の星空、自然の中の動植物を自分の目で確かめて、日本では体験できない旅の思い出を作りましょう。あなたにとっての絶景は数多くあるはずです。日本とは異なる時間を過ごすことで、貴重な思い出を絶景とともにたくさん体験しましょう。

キリマンジャロを登山しましょう!
キリマンジャロは美しく、また、比較的登山しやすい魅力的な山です。5000mを超える山であり登山の醍醐味を存分に味わえます。アフリカの豊かな自然のなかで、ぜひ綿密な計画と、服装などをしっかり準備して、安全に注意を払いながら、楽しい登山をしてください。きっと新しい発見と新たな活力を得られるに違いありません。
関連記事
