イランの観光情報！名所や気候・ベストシーズンにおすすめの服装も紹介！

イラン文化圏と言われる地域は世界史上において最も多くの芸術遺産を残していると言われています。イスラム文化圏というのは、イラン･アフガニスタン･タジキスタン･ウズベキスタン･アゼルバイジャンなどにまたがっています。現在イラン国内では、世界文化遺産が21件、世界自然遺産が1件の22件が世界遺産に登録されています(2016年現在)。

数千年にわたるイラン文明を今に伝える中東のイランは、世界遺産の多さからもわかるように史跡の宝庫･文化遺産名所の宝庫です。国民性はとてもフレンドリー。イラン料理ではコメが多用され、またカスピ海から獲れる魚介や肉類(一般の肉類の他にラクダなども。)が豊富で料理の種類も多岐にわたります。ポピュラーなのは魚や肉を串に刺して焼くケバブです。

現在イランとペルシャの国名は代替可能となっていますが、唯一代替可能ではない地域があります。それがファールス地方です。現在はファールス州になっていますが、イラン南部の歴史的な地域で、この地域では主要な民族や言語が現在でもペルシャ人でありペルシャ語であって代替可能ではなく、ここでは諸民族がそれぞれ独自の伝統的文化や生活を維持してそれがイラン文化遺産の一部をなしています。

中東の国々というと地図を広げないとなかなか分かり難いという人は多いようです。日本で中東という場合にはイスラムという概念があって欧米とは多少違いますが、欧米で一般的に認識されている中東は、UAE･イエメン･イスラエル･イラク･イラン･エジプト･オマーン･カタール･クウエート･サウジアラビア･シリア･トルコ･バーレーン･ヨルダン･レバノン･パレスチナ自治政府の管轄地域を言うようです。

世界有数の石油産出国イランは世界遺産に登録された史跡の多さやイスラム文化の宝庫であることでも有名で観光客の人気の元になっています。ベストシーズンのイランがバックパッカーに人気があってリピートする人が多いのは、観光遺跡の多さや物価の安さとともにフレンドリーな国民性によるところも多いようです。観光業者による人気予測でナンバー1の観光地でおすすめだと言われています。

海外旅行をする人が費用の軽減を図るために知り合い(メンバー)の家に泊めてもらう、というのを組織化したアメリカ合衆国ニューハンプシャー州の非営利法人によるプロジェクトです。ホスト(泊めてあげる人)とサーファー(泊めてもらう人)の登録をした人の間でカウチをサーフ(家に宿泊させてもらう)し合うというプロジェクトです。組織は正規の慈善団体ということです。

イラン観光のベストシーズンを後述しますが、世界遺産の宝庫と言われるイランのおすすめの観光地をいくつかご紹介しましょう。中東への旅と言うと特に女性は不安視しがちですが、イラン観光の体験者によるとイランはとても治安の良い国だというふうに言っています。また、とてもフレンドリーな国民性に加えて日本人にはとても親切に接してくれるのでおすすめです。

シャイフ･サフィー･アッディーン廟は1334年に建設されました。この廟はさまざまなセクションで成り立っています。ざっと書いてみますと、図書館･モスク･学校･貯水池･病院･厨房･パン工場･オフィスなどです。廟内は8つの門で分離されています。世界遺産に登録された理由の一つに「人類の創造的才能を表現する傑作」とありますが、まさしく訪れる人々がすべからく感動を以って拝観する施設です。

水色の精緻なアラベスク柄が特徴のモスクをはじめ荘厳な宮殿に囲まれていて「ここには世界の半分がある」とまで言われていたという場所です。ここは、かつては「王の広場」と呼ばれていて、さまざまな儀式および競技などがここの広場で行われたそうです。現在は池などが設けられて公園化されています。16世紀末から2度の修復がされましたが、現在の形に落ち着いたのは1617年頃です。

古代オリエントに存在した王朝アケメネスのペルシャ帝国の都跡です。現在ペルシャでは「ジャムシードの玉座」と呼ばれています。「ジャムシード」というのはゾロアスター教の神話に出てくる人物だそうです。紀元前520年に建設着手したのでしたが、歴史の波に揉まれ紀元前331年にアレクサンドロス大王の襲撃によって破壊されてしまいました。それ以来ここは廃墟のままで今日に至っています。

しかし歴史の中に「ペルセポリス」の名が現れたのは古代ギリシア時代の歴史家であったクレイタルコスの書籍「アレクサンドロス伝」の中でした。その時はすでに崩壊されてしまっていたわけです。現在も往時のままにペルシャに存在するペルセポリス遺跡を訪れて永遠とも言える長い時間の中に佇んでみるのは、滅多に出来ない経験となるかもしれません。

サーサーン朝のゾロアスター教の聖地でした。ペルシャ語で「ソロモンの玉座」を意味するそうです。ここは渓谷の中にある遺跡で、直径および水深が100メートルの火口湖を中心に据えて建てられています。この火口湖にかつてソロモン王が怪物を閉じ込めた、という伝承からこの遺跡にソレイマーン(ソロモン王)の名前が付けられたそうです。他にも火口湖がいくつかあり、湧き水があふれています。

タブリーズにある歴史的商業施設です。中東および世界で最も古い商業施設と言われています。タブリーズは古来より交易の交差する場所として賑わってきました。金や宝石を取り扱うアミール･バザール、あるいはペルシャ絨毯を扱うモッザファリーエ･バザールなどさまざまな業種によって成り立つ商業施設です。中東の商業施設が一様にそうであるように、タブリーズの施設も背後にモスクが建てられています。

イランは全体的に大陸性の気候で、標高が高いために寒暖差が激しく、冬季においては寒さが厳しいのに比して夏季は暑く40℃を超えることもあります。テヘランなどの内陸高地は砂漠気候と言えます。6月から9月にかけてはほとんど雨が降りませんのでベストシーズンと言えるでしょう。イラン北端部のカスピ海沿岸の平野は温暖で年間を通して湿潤な気候です。

では、イラン観光のベストシーズンはいつ頃でしょうか。内陸高地のテヘラン(首都)旅行のベストシーズンとしては、草花が美しい盛りの4月から5月にかけてと、果物がたわわに実る秋の10月頃がベストシーズンと言えましょう。この二つの季節を目安にイラン観光の日程を組めば気候的に過ごしやすく快適な旅行が楽しめます。

イランにおける服装ですが、イスラムの戒律が厳しい国ということもあり、特に女性の服装には注意が必要です。イランには風紀警察という服装の乱れを専門に取り締まる部門があるようです。女性だけでなく男性でも半ズボンやタンクトップなど過度に肌が露出する服装はダメで、ネクタイの着用も好まれないため襟付きシャツと長ズボンの着用が理想的と言えます。

また、イランにおける女性の服装の注意点は、首元の肌の露出をしないこと、ヒップラインを出さない、という不文律があるようです。また、女性がかぶっているスカーフは髪の毛を隠すためと首元を隠す意味を持っています。ただ、最近のイランでは不文律に違反しない範囲で巧みにおしゃれをする女性が増えているようです。私たちが印象として思っている女性の黒づくめのブルカは公式用の服装だそうです。

イラン観光の楽しみのひとつであるイラン料理にはどんなものがあるのでしょうか。イラン料理は香草や香辛料を多用しているため味つけは薄味です。素材は「温かい･冷たい･乾燥･湿り気」といった仕分け方をされて料理され、甘酸っぱい味が多いようです。また、イランでは「最高のシェフは家庭にあり」と言われていて、各家庭それぞれの秘伝の料理があります。

中東のイランへ観光に行くことに少し躊躇する人もいるかもしれません。しかしイランにあるのは、フレンドリーな人々や悠久の歴史の遺産をたっぷり抱え込んだすばらしい遺跡、安心の治安とおいしい食べ物などなど、ありきたりの観光に慣れてしまった人たちの眼を惹きつけて夢の世界へといざなってくれます。そんな深い歴史に裏付けされた世界に行ってみましょう。