2018年05月21日公開
2018年05月21日更新
エルサルバドルの治安を有名観光スポット中心に調査!ギャングがいる?
中南米の小国「エルサルバドル」は、首都サンサルバドルを中心に、人口約620万人が暮らす国です。中南米を拠点とするギャング「マラサルバドルチャ」が蔓延るエルサルバドルは、決して治安が良い国とは言えません。今回は、観光情報も含めて注意点をご紹介します。

目次
中央アメリカのエルサルバドルをご紹介!
中南米の国々の中で、最も面積の狭い国「エルサルバドル」は、グアテマラとホンジュラスという二大コーヒー大国に挟まれた火山の多い国です。
中南米の他の国々同様「マラス」というギャングの温床となっているエルサルバドルは、首都サンサルバドルを含め、非常に治安の悪い国家で、観光の際は注意が必要です。
今回は、エルサルバドルの一大産業であるコーヒーや、観光スポットについてもまとめます。
エルサルバドルってどんな国?
中南米の小国「エルサルバドル」は、中央アメリカに位置する国の中で、唯一カリブ海に面していない国です。
一年中温暖で熱帯雨林気候に近いエルサルバドルでは、近隣国「グアテマラ」や「ホンジュラス」と並んでコーヒー栽培が盛んな国です。
エルサルバドルの国花は、「コーヒーの花」が選ばれており、国を象徴する作物として広く栽培されています。
エルサルバドルには、20以上の火山があり、地震や火山活動が多い国として知られています。
この火山によって育まれたミネラルの多い土壌が、コーヒー栽培に適しているとも言われています。
コーヒー大国と言われる所以は、国の輸出総額の約50%がコーヒー関連の作物であり、国民の25%がコーヒー関連の産業に従事していることがあげられます。
他の中南米の国同様、エルサルバドルでは、スペイン語が公用語として広く使われており、首都サンサルバドルを中心に、一部の観光スポットでは、英語も通じるようです。
日本の四国とあまり変わらないほどの小国ではありますが、世界遺産「ホヤ・デ・セレンの考古遺跡」や美しい湖など、自然景観の素晴らしい観光スポットもたくさんありますので、後ほど詳しくご紹介していきます。

エルサルバドルの治安は最悪?
ここからは、エルサルバドルの治安についてご紹介していきます。
中南米の国々の中で、最も治安の悪い都市と言われているのは、エルサルバドルのお隣の国「ホンジュラス」のサンペドロスーラ市ですが、エルサルバドルの首都サンサルバドルも、負けないぐらい治安の悪い都市として知られています。
エルサルバドルの治安が悪い要因の一つは、12年間に渡って続いた内戦により、国が疲弊して貧しい人々が暮らしていることがあげられます。
また、狭い国土の中に600万人以上が暮らしており、特に、首都サンサルバドルには、このうち3分の1の人口が集中していると言われています。
バスや車での移動中に、強盗や殺人などの凶悪犯罪に遭遇する確率も非常に高く、治安は最悪と言われています。

エルサルバドルの治安悪化の原因は「ギャング」
エルサルバドルの治安が悪化した最大の要因は「マラサルバドルチャ」や「バリオ18」といった中南米を拠点に活動しているギャングの存在があげられます。
「マラサルバドルチャ」は、別名「マラス」と呼ばれる中南米のギャングで、南米の麻薬を北米に密輸する組織犯罪などを手がけていると言われています。
「マラス」のギャングは、エルサルバドルやホンジュラスなどの中南米の国々に構成員が居住しており、街中でも抗争や殺人などの犯罪が横行しています。
エルサルバドルの刑務所は、看守もいないため、収容された囚人ギャングの生活の場になっていると言われています。
凶悪犯が、普通に街の中をうろうろできるというありえないほど治安が悪い環境が、首都サンサルバドルを中心に広がっています。
外務省の海外安全情報によると、首都サンサルバドルの治安は危険レベル2で「不要不急の渡航は避けるように」となっています。
また、地震も頻発していますので、その点でも注意が必要です。
エルサルバドルへの行き方
治安も悪く、非常に恐ろしい国というイメージのエルサルバドルですが、美味しいコーヒーを求めて、渡航する人も少なくありません。
エルサルバドルへの行き方は、日本からの直行便がないため、アメリカのロサンゼルスを経由するのが一般的です。
エルサルバドルの空の玄関口「コマラパ国際空港」は、首都サンサルバドルから約50kmほど離れたところにあります。
日本からロサンゼルスを経由してエルサルバドルに着くまで、約30時間ほどかかります。
エルサルバドルと日本の時差は15時間で、サマータイムはありません。
かなり遠い国ですので、時差の影響だけでなく、移動だけで相当疲れが出ます。くたくたではありますが、非常に治安が悪い国なので、空港でも観光地でも所持品にはくれぐれもご注意下さい。
エルサルバドルの観光スポット1:ホヤ・デ・セレン
ここからは、エルサルバドルの観光スポットをご紹介していきます。
まず、最初にご紹介するのは「ホヤ・デ・セレン」。エルサルバドル唯一の世界遺産である「ホヤ・デ・セレンの考古遺跡群」は「中南米のポンペイ」とも言われています。
西暦590年、火山の大噴火によって埋もれたこの遺跡からは、古代マヤ人の生活跡が発掘されています。
イタリアのポンペイと同じく、エルサルバドルの「ホヤ・デ・セレン」は火山灰の中に千年以上も埋まっていたため、遺跡の保存状態がよく、様々な出土品が発掘されています。
出土品の中には、古代マヤ人たちが使っていた宗教施設や大浴場の他、食料品のとうもろこしやキャッサバなども発見されています。
これほど詳細に古代マヤ人の生活が分かる遺跡は他になく、中央アメリカ大陸の様々な文明を解明するための貴重な資料となっています。
エルサルバドルの観光スポット2:コアテペケ湖
続いてご紹介するエルサルバドルの観光スポットは「コアテペケ湖」です。
火山噴火によって生まれた美しいカルデラ湖は、周囲にホテルやレストランが点在しています。エルサルバドルの避暑地として、別荘や私有地も数多くあります。
コアテペケ湖では、シュノーケリングや淡水ダイビング、そしてジェットスキーなどのアクティビティも楽しめます。ドライブがてら観光するのにおすすめのスポットです。
エルサルバドルの観光スポット3:タスマル遺跡
続いてご紹介するエルサルバドルの観光スポットは「タスマル遺跡」。
紀元前900年から1500年頃まで栄えていたと言われる古代都市の一つで、チャルチュアパ遺跡地区に位置しています。
1940年から発掘が始まったこちらの遺跡では、マヤ文明最古の出土品と言われる「オルメカ様式」の像が発掘されています。
「タスマル」とは、キチェー語で「いけにえが焼かれたピラミッド」という意味で、メキシコのテオティワカンの古代都市にも似た様式の建造物が数多く残されています。
神殿や住居跡の他、球技場なども残されている壮大な遺跡は、エルサルバドルの紙幣のデザインにも使われています。
マヤ文明の歴史を垣間見ることのできる、貴重な観光スポットです。
エルサルバドルの観光スポット4:サンタ・アナ火山
続いてご紹介するエルサルバドルの観光スポットは「サンタ・アナ火山」。
標高2303メートルのサンタアナ火山は、現地ツアーで観光することができます。
ツアーでは、サンタ・アナ火山の火口にあるカルデラ湖を目指して、トレッキングを楽しみましょう。山頂からは、先ほどご紹介した「コアテペケ湖」も一望することができます。
火山の麓には「サンタ・アナ大聖堂」もあり、壮麗な教会は観光の見どころの一つとなっています。
エルサルバドルの観光スポット5:エル・ボケロン国立公園
続いてご紹介するエルサルバドルの観光スポットは「エル・ボケロン国立公園」。
首都サンサルバドル近郊にあるこちらの国立公園には、標高1960メートルの「エルサルバドル火山」があります。
最後に噴火したのは1917年で、首都サンサルバドルの市街地とは反対側に溶岩が流出したと言われています。
トレッキングを楽しむこともできますので、自然が好きな方におすすめの観光スポットです。
エルサルバドルの観光スポット6:イロパンゴ湖
最後にご紹介するエルサルバドルの観光スポットは「イルパンゴ湖」。
首都サンサルバドルの東に位置するこちらの湖は、エルサルバドル国内で2番目に大きいカルデラ湖です。
5世紀から6世紀に大噴火を起こし、膨大な量の火山灰によって、周辺のマヤ文明が滅んだと言われています。
湖では観光ボートも出ており、周辺では、湖でとれた魚を揚げたエクアドル料理なども食べることができます。
エルサルバドルでは治安に気をつけて観光しよう!
中央アメリカ大陸の小国「エルサルバドル」をご紹介しました。
内戦によって疲弊したエルサルバドルには、ギャング「マラサルバドルチャ」の構成員も多数暮らしており、非常に治安の悪い国です。
しかしながら、エルサルバドルには、美しい自然と古代文明が残されています。旅行の際は、とにかく治安に気をつけて、観光スポットを回ってみてください。
