ベネズエラ・カラカスの治安状況は?危険なエリアや観光での注意点も紹介!
ベネズエラ・ボリバル共和国の首都カラカスは、経済危機の影響で治安がかなり悪化している都市。大統領選を前にさらに危険な街になる可能性もあります。今回は、ベネズエラの首都カラカスで観光の際に注意すべき点と、最新治安情報をまとめます。

目次
ベネズエラの首都カラカスの治安情報をご紹介!
カリブ海に面した南米の国「ベネズエラ・ボリバル共和国」は、人口31.5百万人。首都カラカスは、人口290万人と南米でも有数の世界都市です。
世界的な産油国でもあるベネズエラですが、現政権の施策ミスにより国は危機的状況にあると言われています。
今回は、ベネズエラの首都カラカスを中心に、治安情報や観光の際の注意点を詳しくご紹介します。
ベネズエラの首都カラカスとは?
ベネズエラ・ボリバル共和国は、1811年スペインから独立するまで、他の南米の国々同様スペインの統治下にありました。
1958年に民主制が敷かれて以来、独立国家として今日まで歩んで来ました。2013年現職のマドゥーロ大統領が選出されて以来、首都カラカスをはじめ、国家全体の治安が悪化。
世界的に見ても、凶悪犯罪や殺人事件、強盗傷害事件が多発する非常に危険な都市となっています。
カラカスは、17世紀にスペイン人の入植が始まって以来、建設された都市で、現在は、カラカス大都市地区とリベルタドル市を合わせた5つの市からなる首都地区を形成しています。
5つの市の中では、リベルタドル市が首都の西半分を占めており、人口、面積ともに最大となっています。
カラカス経済を支える商業ビジネスの中心は、リベルタドル市の東にあるチャカオ市ですが、2010年以降、さらに治安が悪化しており、首都地区の中でもっとも危険な地域の一つとなっています。
カラカスでは、現地に住む人々は、食べ物も不十分で非常に貧しい暮らしを強いられており、度々暴動も起こっています。ベネズエラを観光する際は、注意していても襲われる可能性があることを否定できません。

ベネズエラの首都カラカスの治安情報1:治安悪化の要因
ベネズエラは1980年代までは、石油価格が安定して、非常に豊かな国でした。
しかしながら、石油産業一つに頼ってしまうという失政により、ベネズエラ国内のインフラは整備されず、輸入に頼る体質の国家になっています。
原油価格の下落により、ベネズエラ経済は壊滅状態となり、人々は貧困に苦しんでいます。
現職のマドゥーロ大統領の人気は2019年までとなっていますが、ベネズエラでは、大統領を罷免する動きもあり、情勢は一層不安定で危険な状況と言われています。
特に、前職のチャベス大統領は、ベネズエラの英雄と言われており、故チャベス大統領を支持する人たちによって、度々暴動が起こっています。
こういったベネズエラ国民の反発に対して、マドゥーロ大統領は、国民を弾圧。実質的な独裁政権状態になっているとも伝えられています。
殺人や強盗などの凶悪犯罪が多発しているとも伝えられていますが、ベネズエラ国家自体が、犯罪件数なども公表しておらず、実際にどれほど危険な状態になっているかは、外部からは分からないという状況が続いています。

ベネズエラの首都カラカスの治安情報2:最新情勢は?
続いては、カラカスの最新治安情報をお伝えします。
外務省の海外安全情報によると、首都カラカスを含む、ベネズエラ北部一帯が危険レベル2に指定されており、不要不急の渡航は避けるようにという勧告が出ています。
一部報道によると2018年5月20日に大統領選挙が開催されたため、現政権に反対するベネズエラ国民の反対運動が激化。
カラカスをはじめとする首都近郊の都市は、ますます危険な状態のようです。
今回の選挙で、マドゥーロ大統領が再選されたため、独裁化はますます強まる傾向です。今後も国民の不満が爆発し、さらなる暴動へと発展する可能性もゼロではありません。
ベネズエラを観光したいという方もいらっしゃるかもしれませんが、どんなに注意していても、危険にさらされる可能性は否めません。
ベネズエラの首都カラカスの治安情報3:ハイパーインフレの影響
続いては、首都カラカスの経済状況についてお伝えします。
ベネズエラの首都カラカスでは、物価上昇率が2016%と、ありえないレベルのハイパーインフレが発生しています。
以前は、100円で買えたものが、今は2016円出さないと購入できないということです。このため、カラカスでは食料や生活用品を含めた物資が不足しており、観光客が強奪事件に巻き込まれることも稀ではありません。
給料は変わらないまま、物価だけが一気に上昇しているため、生活することすらままならない貧しい人々が、カラカスには溢れています。
首都地区の中では、特に経済の中心となっているチャカオ市の治安悪化が激しく、スーパーや道端でも、強盗事件が多発しているようです。
カラカスでは、闇市や闇レートも横行しており、観光客の中にも、こういった闇レートで現地通貨を大量に両替する人もいるようです。
ベネズエラの通貨は、もはや紙切れ同然と言っても過言ではありません。
正規ルートで両替しても、現地通貨を日本円に再度両替できる場所はないようですのでご注意下さい。
ベネズエラの首都カラカスの治安情報4:移動中の注意点
続いて首都カラカスで移動する際の注意点をご紹介します。
カラカス観光の玄関口となる「シモン・ボリバール国際空港」では、国内線の発着時間が大幅に遅れているようです。
ベネズエラ国内で移動する際は、フライト時間を常に確認し、乗り遅れないように注意してください。
国際線から国内線の乗り換えは、建物の中でつながっており、あまり危険な箇所はありませんが、フライトが遅れて深夜に空港に到着してしまった場合は、できるだけ明るい場所や他の観光客がいる場所に移動して下さい。
間違っても一人でその辺を歩き回ることのないように注意してください。
空港からカラカス市内への移動手段は、公式タクシーが一番安全です。
観光客目当ての流しのタクシーは、ぼったくりが目的で、明らかに不当な金額で乗車するように持ちかけてきますので注意が必要です。
基本的に、タクシーの交渉もすべてスペイン語となりますので、スペイン語ができない方は、迷わず公式タクシーを見つけて乗車して下さい。
ベネズエラの首都カラカスの治安情報5:宿泊施設の注意点
続いては、カラカス市内で宿泊施設を選ぶ際の注意点です。
カラカス市内では、チャカオ市を中心に、バックパッカー向けの安宿がたくさんありますが、この一帯は非常に危険なエリアですので、宿泊にはおすすめしません。
できるだけ3スター以上のホテルを選びましょう。どうしてもそういう宿が見つからない場合は、明るい通りに面した立地のホテルにして下さい。
ホテルの中も安全とは言えませんので、部屋にチェックインしたら、必ず鍵は2重に施錠し、不審者が侵入してこれないように十分注意してください。
貴重品や高額なアクセサリー、ブランドバッグなど、明らかにお金を持ってそうに見えるようなものは身につけないようにしましょう。
ベネズエラの首都カラカスの治安情報6:観光中の注意点
続いては、カラカス観光中の注意点です。
ベネズエラの首都カラカスには、世界遺産となっているカラカス大学都市がありますが、この周辺は、観光客を狙ったスリやひったくりが頻繁に発生する危険なエリアとなっています。
どうしても観光したい場合は、タクシーで乗り付け、短時間で観光するようにしてください。
カラカス市内には、スラム街もたくさんありますので、事前にロケーションを確認して、絶対に近づかないように注意してください。
また、観光客が狙われるのは、レストランで食事をしている際や、観光地で写真を撮っている時などです。
気づいたら、お財布やパスポートが無くなっていたということがないように十分注意しましょう。
ベネズエラの首都カラカスの治安情報7:トラブルに巻き込まれたら?
ベネズエラ国内または、首都カラカスエリアでトラブルに巻き込まれた場合は、チャカオ市にある在ベネズエラ日本国大使館に助けを求めるようにしてください。
渡航の際は、必ず在留届けを提出し、万が一の場合に備えて、家族や友人にもベネズエラを旅行することを連絡しておくようにしましょう。
また、カラカスの最新治安情報は、在ベネズエラ日本国大使館のホームページでも確認できます。
2018年5月現在は、チャカオ市で侵入窃盗事件や、短時間の誘拐事件が発生したようで、注意喚起情報も出ています。
カラカス市内で移動する際は、必ずタクシーや車を使い、絶対に単独行動しないことを肝に命じて下さい。
ベネズエラの首都カラカスは治安情報を常に確認しよう!
ベネズエラ・ボリバル共和国の首都「カラカス」の治安情報をお伝えしました。
観光の注意点や移動の際の注意点などもいくつかご紹介しましたが、カラカスの治安は世界一悪いとも言われています。
安全に旅を楽しむためにも、ベネズエラ観光は当面見合わせることをおすすめ致します。