宮島の大鳥居の歴史や構造・重さを調査!建てられた理由や方法とは?

広島県瀬戸内海西部に位置する宮島、正式名称は厳島。江戸初期から三大景勝地のうちの1つとして多くの人々を魅了してやまない大鳥居。宮島の大鳥居は1500年もの歴史を持つ由緒ある世界遺産となっています。今回はあまり知られていない構造や重さ、歴史などをご紹介します。

宮島の大鳥居の歴史や構造・重さを調査!建てられた理由や方法とは?のイメージ

目次

  1. 1人と神が共存する壮麗な場所「厳島」
  2. 2広島県宮島の大鳥居の歴史
  3. 3広島県宮島の大鳥居の構造
  4. 4広島県宮島の大鳥居の重さ
  5. 5広島県宮島の大鳥居が建てられた理由
  6. 6広島県宮島の大鳥居と神社の建築様式
  7. 7広島県宮島の大鳥居までのアクセス
  8. 8広島県宮島の大鳥居までのおすすめフェリー情報
  9. 9広島県宮島の大鳥居のおすすめ撮影場所
  10. 10広島県宮島の大鳥居とモンサンミッシェル
  11. 11満潮時に船で鳥居をくぐるには
  12. 12広島県宮島の鳥居をくぐると本殿に祀られている神1:市杵島姫命
  13. 13広島県宮島の鳥居をくぐると本殿に祀られている神2:田心島姫命
  14. 14広島県宮島の鳥居をくぐると本殿に祀られている神3:湍津姫命
  15. 15広島県宮島の鳥居をくぐると本殿に祀られている神4:天忍穂耳命
  16. 16神秘的な島宮島の大鳥居の歴史・構造・重さを把握

人と神が共存する壮麗な場所「厳島」

海の上に浮かぶ神秘的で朱色の大鳥居が特徴の厳島神社。西側には、松の植えられた静かな海岸通りである西松原や石灯籠が広がり、時間帯により様々な表情も見せる古代より島そのものが信仰の対象として神のように崇められてきた由緒正しき世界遺産です。それでは、宮島の象徴とも言うべき厳島の歴史や構造、謎に迫って行きましょう。

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広島県宮島の大鳥居の歴史

厳島は松島、天橋立と肩を並べる日本三景のうちの1つとされ、国内外から多くの観光客の集まる広島の海にそびえ立つ朱塗りの神社。創建年は平安時代まで遡ります。2本の主柱の前後に袖柱を建てた計6本の柱から成る鳥居で、形式は両部鳥居と呼ばれる当時でも珍しい最新型の鳥居。平安時代に平清盛によって再建され同時に増営されています。

歴史を遡ること平安時代

厳島神社に現在存在するこの大鳥居は、残念ながら平安時代から存在しているものではなく明治8年に再建された大鳥居。平安時代から数えると合計7回も造り替えられているため現在のものは8代目にあたります。この朱色の大鳥居は仏教色が強いという事もあり明治政府の命令により、神社建築の伝統にのっとった彩色なしの期間がありました。

歴史に彩られた厳島神社

厳島神社の起源は古く始まりは西暦500年代。かの聖徳太子が活躍していた年代である593年、今から約1500年も前に創建された大鳥居です。平清盛は自身が尊敬していたお坊さんに厳島神社を祀るようにと助言を与えられたと同時に広島県のトップに任命されました。彼は神社を平家の神として祀り1150年前後に造られた形を今に受け継いでいます。

建築後、厳島神社は2度の火災にあい、戦国時代に起きた厳島の戦いではこの場所が戦場となりました。海に面している神社であるため度重なる台風や暴風雨などの被害も免れる事はできません。平成3年には重要文化財である能舞台が倒壊、最近の平成24年では大鳥居の檜皮屋を覆う銅板が被害を受けています。ではなぜこの宮島に鳥居が建てられたのでしょう?

広島県宮島の大鳥居の構造

厳島神社の境内沖合から200メートルの場所に位置する大鳥居は、他の神社の鳥居とは違う構造をしている事でもよく知られています。通常私達が目にする神社の鳥居であれば柱は2本あり、その柱が地中深く埋まっているのが特徴です。しかし宮島にある厳島神社の鳥居は計6本。満潮時や荒波にも対応できるよう柱を地中に埋めずあえて浮かせているのです。

厳島神社の大鳥居は鳥居の重さで宮島に立っているだけで、水の動きが激しい海中では浮く事さえあるというのです。仮に海底の地面に鳥居の柱を埋め込んでしまった場合、台風や高波があった際圧力を逃がす事ができず鳥居全体で受け止めてしまい、鳥居の倒壊に繋がります。そのため地面に柱は埋めず、鳥居の最上部に重しが入れてあるのです。

広島県宮島の大鳥居の重さ

置いてあるだけの鳥居の柱の根元は土の中には一切入っていませんが、柱の足元部分には花崗岩が敷かれ、その下にある地盤の補強部分には40cmから60cmの松の木を用いた杭が各柱に100本ほど打ち込まれているそうです。花崗岩は産地である宮島で採掘が可能、鳥居の重さは60トンにものぼり、柱の中の空洞には石が敷き詰めてあるそうです。

様々な技術や素材が駆使された興味深い宮島の鳥居ですが、それでもなお柱の重さがしっかりと安定していて倒れないというのは驚きです。鳥居をくぐり本殿へ向かう際にも大鳥居を船に乗ってくぐり抜けて行く事も可能、水と共に生活をする都市ヴェネツィアやアムステルダム、モンサンミッシェルとも共通点のありそうなおすすめの場所です。

広島県宮島の大鳥居が建てられた理由

広島県宮島は古代から3人の女神が降り立ったという伝説のある場所。鳥居は悪しきものや悪霊の侵入する事ができない神の聖域、もしくは人間の住む世俗と神の住む場所を分ける境界線のような役目を果たしているとも言われます。宮島が祀っている神は三女神であるオキツシマヒメ、ダギツヒメ、イチキシマヒメ。これらは海上交通の神々です。

歴史にまつわる太古の神々の聖域

この朱色の鳥居は御山を背景に、非常に目が醒めるような色をしているため、この神社が当時平清盛が行っていた日栄貿易による貿易船や外国船への印象付けに役立ったという説があります。人々はこの海上神殿を目にする事によって平清盛の権力や権勢がうかがい取れるといった様々な理由も存在するようです。

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広島県宮島の大鳥居と神社の建築様式

広島県宮島の厳島神社と大鳥居は、海上に建てられているというだけでも珍しいですが建築様式や建築方法に至ってもとても珍しいものになっています。宮島に存在する神社と大鳥居は、かつての平安貴族の上層住宅の建築様式である「寝殿造り」で建てられているのが特徴。寝殿群内にある御本殿は日本でも最大級の面積を誇っています。

広島県宮島の厳島神社にある御本殿は、横幅が23.7m、奥行きが11.5mとなり、出雲大社本殿の約2倍弱の広さとなっています。これは回廊を含めた社殿面積を対象とした場合、かなりの大きさということになり平安時代に平清盛が創建してからは最大の面積を誇ります。この面積からも彼の深い信仰心が伺えます。

神社の寝殿群を繋いでいる舞台や回廊の床に敷かれている板は、わざと隙間を開けるように敷かれ台風や大波が来ても対処できるよう、波を板の間に通し圧力を分散させることによって倒壊を免れるための工夫が施されています。それに加え、ここ広島県宮島の厳島神社には壁がなく、手すりがあるのみです。

広島県宮島の大鳥居までのアクセス

飛行機をご利用の場合は、札幌の新千歳空港、沖縄の那覇空港、仙台空港、東京の羽田と成田空港から広島空港又は岩国錦帯橋空港へ向かいます。広島空港からはリムジンバスが出ているので広島駅行きに乗車すると48分で到着します。JR広島駅からは、山陽本線下りで宮島を目指し、JR宮島口駅で下車します。

東京から山陽新幹線で広島の宮島にアクセスされる方は品川駅から新幹線に乗り4時間7分で宮島口駅に到着します。そこからはフェリーで約10分で厳島神社に到着します。高速バスでアクセスされる方は、新宿駅から広島駅着のものに乗り12時間5分で到着します。関東から車を利用される場合は広島岩国道路廿日市ICを下車しフェリー乗り場まで向かいます。

広島県宮島の大鳥居までのおすすめフェリー情報

広島の宮島フェリーは、JR山陽本線の土日や休日のダイヤに合わせ週末は日中の9時10分から16時40分まで10分間隔で運行しています。天候や船の定期点検によっては2船になってしまう場合もありますが、ななうら丸、みやじま丸、みせん丸と呼ばれる定員800名、自動車が数台搭載可能のそれぞれ3船が運行しているのでおすすめです。

JR山陽本線も、週末になると快速列車が運行となり、フェリーの重さや構造、速度や展望デッキ、フェリーのさらに詳しい情報などがJR西日本宮島フェリーの公式ホームページから観覧できるようになっているので時刻表や航路などを事前に確認しておくのもおすすめです。重さや構造だけでなく貸切船の問い合わせ先や運賃なども紹介されています。

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広島県宮島の大鳥居のおすすめ撮影場所

大鳥居自体の歴史や構造、重さ、フェリーの重さや構造、情報などに触れてきましたが宮島の大鳥居を訪れた際に、美しくて神秘的な記念写真の取れるおすすめの場所やおすすめアングルなどもご紹介します。まずフェリーには、JR船と松大気船の2種類があるためそれぞれのフェリーデッキから海の景色と共に撮る赤と青のコントラストがおすすめです。

干潮時には大鳥居をくぐる事も可能

JR船に乗船するとより大鳥居の近くで撮影ができるそうなのでおすすめです。もう1つは、観光名所である宮島に生息している、多くの鹿や景色ともに撮る風景写真がおすすめです。厳島神社の西側に広がる西松原と呼ばれる海岸通り、そして灯篭と大鳥居を一緒におさめた写真や干潮時にしか撮れない写真もありくぐる事も可能なのでおすすめです。

広島県宮島の大鳥居とモンサンミッシェル

2008年度フランスの政府観光局が「海に浮かぶ世界遺産」として、フランスのレンヌに位置する寺院であるモンサンミッシェル(聖ミカエルの山)と、広島の宮島に位置する厳島神社を正式にポスターに起用しています。モンサンミッシェルからも宮島を友好都市として提携を結ぶ申し出があったようです。

そして厳島神社を含めた宮島もモンサンミッシェル同様、満潮時には潮位が上がります。満潮を迎えるのは9月から10月頃の秋口だと言われています。この時期には社寺も当然、海水に飲まれてしまう時期ですので場合によっては社寺も潮が引くまでは拝観が一時休止になることがあるので新聞などで事前に確認するのがおすすめです。

しかし宮島の厳島神社の寝殿群は、景観がしっかりと保たれ海水で浸水しないよう、木材の幅1本分ほど高く上げられて設計が施されています。それに、本殿の中にある御神体の祀られている神聖な場所だけは、平安期に再建されて以来、850年の間1度も水没したことがないという技術力の高さです。

満潮時に船で鳥居をくぐるには

厳島神社の正式な参拝の仕方は、海上に位置する大鳥居をくぐって参拝をします。干潮時には勿論、浜を歩いて鳥居をくぐる事が可能ですが満潮時には、昔ながら多くの人々が続けてきた伝統的なやり方で船での参拝、船で鳥居をくぐる事が可能。それには有限会社である宮島遊覧観光を使用するか、エンジンのない櫓櫂船のツアーがおすすめです。

鳥居をくぐるにも2種類の船を活用

宮島現地で出航している船の種類や運行時間などが異なるため、鳥居をくぐる方法で参拝をしてみたい方は運行時間や営業時間帯を調べておくのがおすすめです。櫓櫂船の場合は20分のコースを手漕ぎで進み、夜便のみ予約が必要です。宮島遊覧観光は、10時から17時まで受付が可能。龍の頭のついた遊覧船での30分コースでくぐる予定です。

広島県宮島の鳥居をくぐると本殿に祀られている神1:市杵島姫命

厳島神社の本殿に祀られている女神のうちの1人、イチキシマヒメノミコトは古来の厳島神社に唯一1人だけ祀られていた女神です。沖津島姫又は、市寸島比売とも書くそうで本名はサヨリヒメ。天照大神系の女神で須佐之男命の直系にあたるそうです。天照大神がスサノオの嘘偽りない心を証明するため彼の剣を折り噛んで吹き捨てた物から生まれた神。

古代・中世の神社合併政策、この市杵島姫命は弁財天と同一とされたため、天女としての側面も併せ持つようになったそうです。全国に位置する厳島神社の総本山である宮島の厳島神社の三女神は、宗像となっているため「宗像三女神」と一般的に呼ばれています。日本書紀では天照大神によってこの三女神が筑紫へ降臨させたと記述されています。

広島県宮島の鳥居をくぐると本殿に祀られている神2:田心島姫命

タゴリヒメノミコトも、本殿に祀られている女神。古代の厳島に3人の女神が舞い降りたという言い伝えから、神社の主祭神に関係の深い比売大神(ひめがみと読む新道の女神)のうちの一人です。名前を短略化し、多紀理姫とも書くそうですがその時はタキリビメと発音をし、別名オキツマヒメとも言います。

タゴリヒメノミコトは、天照大神系の女神で須佐之男命の直系。イチキシマヒメとタギツヒメとは三姉妹の間柄にあり、この三姉妹を総称してヒメノオオカミと呼ぶそうです。彼女はのちに出雲大国主命(いずものおおくにぬしのみこと)に嫁ぎ、高日子根神(たかひこねかみ)を産んでいます。

広島県宮島の鳥居をくぐると本殿に祀られている神3:湍津姫命

タギツヒメノミコトも本殿に祀られている女神のうちの一人。御山神社という単社の主祭神にもなっていて、多岐津比売命とも書きます。天照大神系の女神で須佐之男命の直系、イチキシマヒメとタゴリヒメとは3姉妹の間柄。三女神の父はスサノオですが、イチキシマヒメが弁天となるとその父は龍神となってしまいました。

三女神の父であるスサノオは、龍神とされていますが、スサノオの父であるイザナギに海の当時を命じられていましたが、その職に就いていないということがわかっています。それでもなお、娘である三姉妹は広島に広がる海の交通安全の神を長年しっかりと勤め上げています。

広島県宮島の鳥居をくぐると本殿に祀られている神4:天忍穂耳命

あめのおしほみみのみことは、厳島神社の東回廊に位置する客神社(まろうどじんじゃ)というところに祀られている神。天照大神と須佐之男命の契約の祭一番最初に生まれた神とされ、三女神の兄にあたる神です。正式には、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(あさかあかつかちはやひあまのおしほみみのみこと)という長い名称が付いています。

彼は、稲妻の神として生命力を司っている、日本書紀の五柱神のうちの1人。生まれつき体の弱い方や重度の疾患を抱えている方の健康や治癒を祈願するといいと言われている神です。神話での彼は天照大神の命令によって葦原の瑞穂国(稲穂が実る国・日本)の統治者となって遣いへ行きますが、日本三景の1つ天橋立に立ち偵察を行いました。

神秘的な島宮島の大鳥居の歴史・構造・重さを把握

日本古来の神々が降り立ったとされる伝説の残る神秘の島、宮島の大鳥居の歴史や、神社の構造、鳥居の構造、重さやフェリーの重さや眺めなどについてご紹介してきました。干潮時と満潮時、夕暮れ時などは様々な表情をみせる厳島神社の鳥居。干潮時の浜辺に出る際などは服装に気をつけ、歴史や構造、重さなどを事前に把握する事で楽しめるでしょう。

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この記事のライター
Weiße Krähe

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