ペトラ遺跡は謎が多い世界遺産!行き方・治安・入場料・歴史などを紹介!
ペトラ遺跡は中東の国ヨルダンにある世界遺産です。ペトラ遺跡は、一見の価値はあると言われるダイナミックな遺跡ですが、謎の多い遺跡とも言われています。その歴史、謎、現地までの行き方、治安、入場料などについて調べてみました。ぜひ、参考にしてみてください。

目次
- 1世界遺産ペトラ遺跡のご紹介
- 2世界遺産ペトラ遺跡1:位置
- 3世界遺産ペトラ遺跡2:日本からの行き方
- 4世界遺産ペトラ遺跡3:歴史と謎
- 5世界遺産ペトラ遺跡4:入場料
- 6世界遺産ペトラ遺跡5:入口
- 7世界遺産ペトラ遺跡6:シーク
- 8世界遺産ペトラ遺跡7:エル・カズネ
- 9世界遺産ペトラ遺跡8:岩窟墳墓
- 10世界遺産ペトラ遺跡9:ローマ劇場
- 11世界遺産ペトラ遺跡10:ローマ街
- 12世界遺産ペトラ遺跡11:エド・ディル
- 13世界遺産ペトラ遺跡12:フォーラムで休憩
- 14世界遺産ペトラ遺跡13:治安
- 15世界遺産ペトラ遺跡14:周辺観光
- 16世界遺産ペトラ遺跡15:観光するときに注意すべきこと
- 17世界遺産ペトラ遺跡16:ラクダやロバを利用する
- 18世界遺産ペトラ遺跡に行って謎の多い遺跡を見学してみましょう!
世界遺産ペトラ遺跡のご紹介
ペトラ遺跡は中東の国、ヨルダン(正式国名: ヨルダン・ハシミテ王国)にあり、1985年世界遺産(文化遺産)に登録され、2007年には新・世界の七不思議にも選ばれました。広大な遺跡で謎の多い遺跡と言われています。自然の岩壁に刻まれたダイナミックな遺跡群について、行き方、歴史、謎、治安、入場料などについてまとめてみました。
世界遺産ペトラ遺跡1:位置
ペトラ遺跡はヨルダンに位置し、北にダマスカス、西にガザがあり、古代から交通の要所でした。砂漠を行き来するキャラバン隊にとって大切な中継地点で、スパイス交易の中継都市として紀元前頃は繁栄していました。乾燥した気候と岩礁地域のため農業は適していません。雨が降ると鉄砲水が発生しましたが人々は治水システムを作り上げました。
世界遺産ペトラ遺跡2:日本からの行き方
日本からヨルダンへの行き方ですが、残念ながら直行便はありません。ヨルダンの飛行機での玄関口はクイーンアリア国際空港で、この空港はヨルダンの首都アンマンから南に35キロのところに位置します。日本からヨルダンへの行き方は、どこを経由地にするかでいろいろなルートがあります。
ドバイ、アブダビ、アジアなどから経由する行き方なら、日本から約14時間から16時間でヨルダンに到着。ヨーロッパ経由の行き方なら約17時間でヨルダンに到着。空港からアンマン市内までの行き方は、タクシーを使う行き方、エアポートバスで市内のバスターミナルまで行ってタクシーを使う行き方、エアポートバスと路線バスを使う行き方など。

世界遺産ペトラ遺跡3:歴史と謎
ペトラ遺跡の歴史は古く、紀元前1200年頃に詳細は謎ですがエドム人が、現在のペトラ遺跡のある付近に住んでいたと見られています。紀元前1世紀頃、ナバテア人がエドム人を追いやって、この付近でアラビア地域との交易を行いながら古代都市として繁栄しました。その後、ナバテア人は、ローマの支配下に置かれることになります。
交易によって都市として繁栄していたペトラ遺跡が、なぜ廃墟になってしまったのかについては謎が多く、現在も遺跡の発掘による研究続いています。鉄砲水が発生して洪水が起こったことや、ローマ人による支配を受けたナバテア人の抵抗が、ペトラの都市の衰退に結びついたという意見もあります。衰退の謎に対する答えとして大地震があります。
749年、ペトラ遺跡の一帯に大地震が発生しました。「ガリラヤ地震」と呼ばれます。この地震でぺトラ遺跡一帯は甚大な被害を受けます。ペトラ都市衰退の様々な理由はあったものの、ガリラヤ地震が決定的な原因となって、ナバテア人は、この地域を放棄することになったというのが現在の有力な説のようです。
1812年、スイス人探検家ルートヴィヒ・ブルクハルト氏が、「岩壁にはさまれた狭い道を通ると突然目の前に遺跡が現れた」として、ペトラ遺跡のことをヨーロッパに紹介しました。これがきっかけになりペトラ遺跡は世界的に知られるようになります。20世紀初頭に、ペトラ遺跡発掘調査が開始され、現在も調査は続けられています。
世界遺産ペトラ遺跡4:入場料
ペトラ遺跡の開園時間は、冬期は午前6時から午後4時まで、夏期は午前6時から午後6時までです。入場料は一日券が50ディナール(JOD)、日本円で8000円弱となり高額です。入場料は日本でのテーマパークなみに高額ですが、一見の価値はあるというのが訪れた人からの情報でした。
ペトラ遺跡は、開門から閉園まで滞在しても1日ですべてを見ることはできないほど広大です。観光として公開されているのは全体の1%とされます。2日券もあり、こちらでの入場料は55JOD、3日券の入場料は60JODとなります。何日か滞在する場合はスケジュールにあわせてチケットを選ぶと入場料が少しお得になります。
高額な入場料をお得な価格にする方法があります。「ヨルダンパス(JORDAN PASS)」です。ヨルダンパスは、ヨルダンに来た観光客を対象に作られたパスで、40以上の主要な博物館やアトラクションが対象になっています。ヨルダンパスは70JODで、入国前に手配しておくと現地で便利に利用できます。
ヨルダンパスには、ヨルダン入国のビザ発行料金(40JOD)が含まれています。ペトラ遺跡入場料50JODとビザ台40JOD(合計90JOD)が、ヨルダンパスでは70JODとなり20JOD(日本円で3000円ほど)お得になります。ペトラ遺跡しか行かないとしても、ヨルダン入国前にインターネットで購入がおすすめです。「JORDAN PASS」で検索を。
世界遺産ペトラ遺跡5:入口
入口で入場料を払って中へ入ります。入口から奥の岩のあるところまで徒歩で約10分です。このあたりで馬に乗らないかと声をかけられることが多いようです。「馬の代金はチケットに入っている」などと誘われますが、馬を利用した後でチップを求められるとのことです。支払う覚悟をしてから利用しましょう。
世界遺産ペトラ遺跡6:シーク
謎の世界遺産、ペトラ遺跡は美しいピンク色の岩から作られた遺跡です。シークと呼ばれる幅の狭い道を進みます。両側の岩壁の高さは約80メートル。約1キロほど、絶壁がそそり立つような細くて薄暗いシークを進み抜けると、目の前にいきなり神殿(エルカズネ)が現れます。
ナバテア人は、シークを利用してダムも建設していました。治水装置は、そこに暮らす人々にとって絶対に必要なものでした。切り出した岩を積み上げて、それを使って峡谷をふさぐようにしてダムは作られました。ダムの下部に使用した岩を少し動かして、水路として利用していたシークの水量を調節していたようです。
世界遺産ペトラ遺跡7:エル・カズネ
シークを通り抜けた後に、目の前に現れた巨大な神殿「エル・カズネ」はアラビア語で「宝物殿」という意味です。世界遺産ペトラ遺跡のなかでも象徴的な建造物として人気があります。映画「インディージョーンズ・最後の聖戦」、ハリソンフォード主演で、舞台として使われたことでも知られています。
エル・カズネはナバデア人の王様の墳墓として、紀元前1世紀頃に建造されました。高さ43メートル、幅30メートルもあり、歴史的な建造物として迫力を感じるとともに、ピンク色の岩肌を削るようにして作られた遺跡に、古代のナバデア人の技量の高さや芸術的な感性に圧倒されます。
エル・カズネはピンクの岩肌を利用して精密に作られていて、堂々として威厳を感じさせる雰囲気があります。宝物殿と呼ばれることもあり、歴史上、宝物を求めて何度もベトウィンたちからの攻撃を受けてきたため、赤い地色を持つ岩からできている神殿の上部には攻撃の傷跡なども残っています。
エル・カズネ周辺には、シャドラ神の「生贄の神殿」など、他にもたくさんの神殿が見られ、その数は大小あわせると500ほどになります。ペトラ遺跡の岩は、比較的柔らかな特性だったので、たくさんの神殿が作られました。保存の状況がよくないものもありますが、岩肌の色や、環境を生かして作られた神殿を楽しむことができます。
世界遺産ペトラ遺跡8:岩窟墳墓
たくさんの神殿のほかに、ペトラ遺跡では、岩を削って作り上げた岩窟墳墓も多数残っています。大地震や自然の風化によって歴史とともに消えてしまった住居にくらべると、墳墓は頑丈に作られていました。これはナバテア人が来世まで墓を残しておきたいと希望していたため、と言われています。ペトラ遺跡には500以上の墳墓が残っています。
世界遺産ペトラ遺跡9:ローマ劇場
ペトラ遺跡のなかにはローマ人の影響が残る「ローマ劇場」があります。ローマ劇場は岩を掘り抜いて作られた劇場で、当初はナバテア人が作り出したのですが、その後、ローマの支配を受けた時代にローマ風に改築されたと言われています。約3000人を収容できる半円形の劇場で、生贄を捧げる祭壇などがあり、祭事に利用されていました。
世界遺産ペトラ遺跡10:ローマ街
ローマ劇場からさらに先へと進んで行くと、ローマ人街があります。ローマ人たちによって作られた街で、石畳の舗道があり、巨大な列柱があり、その脇には水路も作られています。列柱が立ち並んでいる街路を通り抜けると、彫刻装飾が施してある凱旋門があり、遠い昔、ローマ軍が通っていた歴史のいぶきを感じることができます。
世界遺産ペトラ遺跡11:エド・ディル
凱旋門や列柱からさらに進むと、丘の上に「エド・ディル」があります。修道院を意味する名前となっていて、エド・ディルは丘の上にあるため、ペトラ遺跡を俯瞰して眺めることができます。見晴らしが良く、早朝、あるいは夕方にエド・ディルを訪れると、ペトラ遺跡の岩壁が美しいピンク色に染まる光景が見られます。
エド・ディルはペトラ遺跡のなかでも象徴的なスポットで人気があります。しかし、ここに到着するまでの道程は険しく、800段ほどある石段を登る必要もあります。このため、エド・ディルまで訪れる人は、少なめとのことです。エド・ディルも岩肌に作られた巨大な神殿ですが、保存は良いようです。
エド・ディルはナバテア人が作り上げた独特のスタイルになっています。3本の柱と、繰り返し円の模様が施されています。2009年のアメリカ映画で変身(トランスフォーム)する金属生命体の戦いを描いた大ヒット映画「トランスフォーマー/リベンジ」の舞台として使われたことでも有名です。
エド・ディル(修道院)の近辺には売店があり、お土産や飲み物などが販売されています。しかしトイレはありません。凱旋門・列柱通りの近くに、レストランがあり、トイレもあります。休憩するには最適かもしれません。凱旋門のところからエド・ディルまで、ロバの運行があるようですが、道が険しく、徒歩で行くのがおすすめです。
世界遺産ペトラ遺跡12:フォーラムで休憩
ペトラ遺跡のなかには休憩できる場所があります。フォーラムと呼ばれて、売店や博物館があります。博物館では遺跡から発掘された歴史ある品が展示されています。ベトウィンの民芸品などを販売するお店もありますので、楽しむことが出来ます。歩き回って疲れたときは、ここで一息いれましょう。
世界遺産ペトラ遺跡13:治安
日本でも中東情報がニュースなどで報じらています。その際にパレスチナ情勢などとともにヨルダンが話題になる場合もありますが、ヨルダンの治安は、近年は落ち着きを取り戻しています。政治情勢が安定するにつれ、イスラエルと和平協定も締結され、次第に観光客も増える傾向にります。「中東で最も旅行しやすい」という意見も聞かれます。
治安は良い方だとは言うものの、油断は禁物です。中東の他の国に比べて治安が良い程度のことだと理解しておきましょう。アンマン市内で、タクシーに声をかけられて利用したら法外な運賃を要求されたといった報告があり、ペトラ遺跡内では、観光客に物売りがつきまとう場合もあるようで、きっぱりとした態度をとりましょう。
ヨルダンの治安に関して、現在のところ、比較的安全な状況で観光ができるとされています。ただし、ヨルダンは、シリアやイラクといった中東で最も治安情勢が不安定な国と、国境を接しています。このため、ヨルダンのなかでもこういった国境付近の地域を訪れるときには、特に治安には注意をする必要があります。
ヨルダンはイスラム教スンニ派の国で、金曜日にモスクで礼拝があります。礼拝後にデモなどが行われる場合がありここでトラブルが発生する場合があり、治安に注意が必要です。治安上の理由もあり、不用意に町中でのデモや集会などには近づかないように注意しましょう。
イスラム国では肌を露出していると、それだけで目立ちます。外国人をターゲットにする犯罪に巻き込まれる可能性が高くなり、治安のためにも肌を露出する服装は避けましょう。市内でバス乗り場を探す観光客に、バスは既に行ってしまったと強引にタクシーを利用させて正規の料金より高額な料金を支払わせるといった手口も報告されています。

世界遺産ペトラ遺跡14:周辺観光
ヨルダンは世界で八番目の謎とまで言われるペトラ遺跡の他にも、イエス・キリストがヨハネから洗礼を受けた場所、モーゼの道、サロメがヨハネの首を斬り踊ったヘロデの砦など歴史的に重要な遺跡や観光スポットがたくさんあります。美しい紅海や死海も人気のスポットがあり、多くの観光客が訪れています。
世界遺産ペトラ遺跡15:観光するときに注意すべきこと
ペトラ遺跡は広大な面積があり、日中にペトラ遺跡を観光する場合、炎天下の中を歩くことになりかねません。このため、日よけ対策は必ずしましょう。また、水分補給できるように心がけましょう。広い遺跡内を歩くので動きやすい服装や、履きなれた靴など歩きやすいスタイルで訪れるようにしましょう。
写真撮影が目的でない場合、ペトラ遺跡を訪れるのに最適の時間帯は、早朝から午前中のなかばまでと、午後遅い時間帯です。この時間に、太陽の光が低く差し込んで、岩肌が特に美しく見られます。ペトラ遺跡は広いので、自分の体力と相談して、どこまで見学するのかを決めるとよいでしょう。
世界遺産ペトラ遺跡16:ラクダやロバを利用する
遺跡ではラクダや馬車が有料で利用できます。しかし、ラクダは転んでしまうこともあります。あまりおすすめできないというのが、実際に訪れた人の情報にあります。また、利用後に法外な料金を請求されたといった観光客を狙ったぼったくりなども報告されています。自己責任での行動になりますし、注意が必要です。
ペトラ遺跡内は電動車両の使用は禁止です。乗り物を利用したい場合、シークを馬や馬車で利用できますが、ペトラ遺跡入口付近の観光案内所で有料の許可証をもらう必要があります。ロバやラクダのレンタルもできるようですが、担当の人が綱を引き決められた場所を巡ります。料金でのトラブルなども聞かれ歩くのが無難という意見もあります。
世界遺産ペトラ遺跡に行って謎の多い遺跡を見学してみましょう!
ペトラ遺跡は現在も発掘が続き調査が進められている遺跡ですが、実際に行ってみると、謎の多い神秘の遺跡に感動をおぼるえことは間違いありません。日本からは遠く離れたヨルダンですが、現地を訪れて古代の人々の歴史の痕跡として世界遺産を実感すれば、きっと何か新しい発見があるのではないでしょうか。