2018年06月06日公開
2020年03月25日更新
シナイ山(シナイ半島)はエジプトの登山&観光スポット!モーセの十戒伝説も!
エジプトシナイ半島にあるシナイ山は登山で有名な観光スポットです。砂漠の真ん中にあるシナイ山は宗教的に長い歴史があり、たくさんの信者が訪れる神聖な場所です。この記事ではシナイ山登山についてやシナイ半島の観光スポットにご紹介します。

目次
神聖な地シナイ山に登る!
エジプトシナイ半島にあるシナイ山は、モーセが神から十戒を授かったといわれるとても神聖な場所です。そんなシナイ山は砂漠の真ん中にあり、山頂からの景色は素晴らしいものです。この記事ではシナイ山登山についてや、シナイ半島の観光スポットについてご紹介します。
エジプト・シナイ半島とは?
エジプトのシナイ半島とはアラビア半島とアフリカ大陸の北東部の間にある半島です。スエズ運河ができる前は、このシナイ半島がアフリカ大陸とユーラシア大陸をつないでいました。シナイ半島の北は地中海、南は紅海、東はアカバ湾、西はスエズ運河に面しています。
シナイ半島に住んでいるのは「ベドウィン」と呼ばれるアラブの遊牧民族がほとんどです。南シナイ県の沿岸地方は観光開発が進み、高級リゾート地となっています。たくさんの外国人観光客が訪れる観光スポットとなっています。また紅海はとてもきれいな海でダイビングスポットとしても有名です。

エジプト・シナイ半島のシナイ山とは?
シナイ山はシナイ半島の南にあります。エジプトで登山のイメージはないと思いますが、シナイ山はモーセが十戒を授けられた場所だと言われており、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教徒にとって神聖な土地でたくさんの信者たちが巡礼に訪れます。シナイ山の標高は2285mでごつごつとした見た目の岩山です。
シナイ山はアラビア語で「ジェベルムーサ」と呼ばれます。シナイ山にはモーセの伝承と関わりがあるとされる泉や岩も存在し、その泉や岩も地元の人々の信仰の対象となっています。3世紀にはシナイ山に聖カタリナ修道院も建設されました。シナイ山は標高が高いため、空気がとてもきれいです。
エジプトシナイ半島:シナイ山の登山は?
シナイ山への登山は、山頂からの朝日を見るために夜中の1時半から2時ごろに、シナイ山近くのホテルを出発します。シナイ山の登山ルートは2つあります。1つは「悔い改めの階段」と呼ばれる難易度の高いルートで3750段の階段を登る登山ルートです。もう1つは「ラクダの道」と呼ばれるシナイ山の7合目までラクダに乗っていき、残りの750段を登山するルートです。
階段といっても自然の石を積み上げただけの階段なので、登山は決して楽ではありません。ただ登山道の所々にお茶屋さんがあり、甘いベドウィンティーをいただけます。お茶屋さんで休憩しながらなら、体力のある方には可能な登山道です。登山中空を見上げると満点の星が!流れ星も見えます。
エジプトシナイ半島:シナイ山の山頂では?
シナイ山の登山は体力によりますが、2,3時間で山頂につきます。山頂では日の出を待つ人々で混み合っており、中には聖歌を歌う信者もいます。ギリシア正教の礼拝堂がシナイ山の山頂に立っていて、そこから日の出を見ます。太陽が少しずつ出てくるにつれ、空の色が真っ黒から紺色、青、水色、オレンジ色へと変わります。
実際に太陽が出てきたときの感動は言葉には表せないほどです。さらにシナイ山の山肌もオレンジに染まり、影とのコントラストもまた大変美しいものです。登山の辛さも寒さも吹き飛ぶ、来てよかったと思える瞬間です。日本では体験できない砂漠の中での登山は人気の観光スポットの1つです。
エジプトシナイ半島:シナイ山登山のアドバイスは?
シナイ山での登山で体力に自信のない方は7合目までラクダに乗せてもらうことをおすすめします。ラクダの料金はその時期や、その日のラクダの数によって変わるそうですが、大体110エジプトポンドだそうです。また早朝、山頂までの登山と山頂で待っている間はとても寒いです。そして下山するころには気温が上がりとても暑くなります。
そのため温度調節ができるよう重ね着することをおすすめします。また夜中に出発し歩いている間は真っ暗です。1人1つ懐中電灯を持つ必要があります。下山のときには太陽燦々で、逆にサングラスがあると歩きやすいです。ラクダに乗る場合は小学生ぐらいのお子様なら登山可能です。
シナイ山へのアクセスは、聖カテリーナ・ツーリスト・ビレッジというホテルから車で5分行き、そこから聖カテリーナ修道院までは歩いて10分ぐらいです。その修道院の先にシナイ山に登る登山道があります。他にもたくさんの信者が登山に訪れるはずですので、道が分からないということはないはずです。
エジプトシナイ半島:シナイ山とモーセ?
「モーセ」とは旧約聖書に登場する古代イスラエルの民族指導者です。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などで最も重要な預言者の1人だと言われています。モーセはエジプトでヘブライ人の家族に生まれ、その後アラビア半島に住むことになります。そこで神からエジプトで奴隷のように扱われていたヘブライ人を連れ出す使命を受けました。
モーセはエジプトからヘブライ人を連れ出し、約束の地(現在のパレスチナ周辺)に人々を導くため、40年以上も荒野を旅します。その途中にシナイ山を訪れ、人々がシナイ山に近づくと神が山の上に現れたといいます。モーセはシナイ山に登り、山頂で神から十戒を受けました。
イスラム教の「クルアーン」という聖典でもモーセは最も偉大な預言者だと言われています。モーセはアラビア語では「ムーサー」と呼ばれます。イスラム教徒はムーサーのことを「神と語る者」として称えます。クルアーンでは聖書と物語はほぼ同じですが、ムーサーがシナイ山で神から授かったものはユダヤ教徒に対して与えられるトーラーという律法だったといいます。
シナイ半島シナイ山観光1:アイン・ムーサ
次にシナイ半島の観光スポットを紹介していきます。1つ目は「アイン・ムーサ」です。モーセの泉という意味です。この泉に昔溜まっていた水は苦くて飲めないほどだったといいます。そこに立ち寄ったモーセは神から与えられた奇跡の力で、その水を飲める水に変えたと言われています。
スエズトンネルを抜け、砂漠の中を10kmぐらい進むとこの泉の井戸があります。現在はもう使われていませんが、この周辺に3つの井戸があります。この井戸の周辺ではベドウィンという遊牧民の姿も見ることができます。キリスト教徒やイスラム教徒の間ではモーセに関係のある場所として称えられているとても神聖な場所です。
シナイ半島シナイ山観光2:聖カトリーナ修道院
2つ目の観光スポットは「聖カトリーナ修道院」です。この聖カトリーナ修道院はシナイ山の麓にあります。聖カトリーナ教会堂や柴礼拝堂などがこの中にあります。キリスト教正教会で世界で最古の修道院で、ユネスコ世界遺産にも登録されています。聖カトリーナ教会堂の中心にはカトリーナが埋葬された石棺も置かれています。
教会堂の周囲の壁には「イコン」と呼ばれるイエスキリストや天使、重要人物を描いた絵画が飾られています。この修道院では大変珍しいイコンも見ることができ、初期の写本や手記を世界で2番目に多く収蔵していると言われています。柴礼拝堂は、モーセが聖なる山に入ろうとしたときに、燃えているのに燃え尽きることがなかった柴のあった場所に建てられています。
シナイ半島シナイ山観光3:スエズ運河
3つ目に紹介する観光スポット「スエズ運河」は、ポートサイドという地中海沿岸の街からスエズの街まで伸びる運河です。スエズは紅海の最北にあります。全長は163km、幅200m、深さは20mで、アジアとヨーロッパを結びます。フランスの指導の下に建設が進められ、多くの犠牲者を出しましたが1869年に完成しました。
スエズ運河には海底トンネルが通っており、首都カイロからシナイ半島に行くにはこの海底トンネルを通ります。スエズ運河は南北どちらかの一方通行です。船のすれ違いは運河上にある、グレートビター湖など4か所のすれ違いスポットで行います。運河を運航できる船には重さ、水面からの高さなどの規定があり、超大型タンカーなどは航行できません。
シナイ半島シナイ山観光4:ワジ・フィラン
「ワジ・フィラン」とは、エジプトで「シナイの真珠」と呼ばれるオアシスです。ナツメヤシが密生する地域です。モーセが奇跡を起こした場所の1つだと言われており、こちらもモーセと関係のある神聖な場所です。このオアシスでは、遊牧民ベドウィンが山羊や羊と一緒に暮らしています。
神聖な地エジプトシナイ半島シナイ山!
いかがでしたでしょうか。エジプトシナイ半島にあるシナイ山登山や周辺の観光についてご紹介しました。砂漠の真ん中に立つシナイ山山頂からの景色は日本では絶対に見られないものです。登山の経験がなくても途中までラクダに乗ることも可能なので、エジプト観光の1つに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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