カンボジアの治安の現在の状況は？旅行客や女性が気を付けるポイントまとめ！

テロや犯罪、また近年増えている女性の旅行客にとって便利なカンボジアの治安についてお知らせしたいと思います。

全体的なカンボジアの治安については外務省が公表している各国の危険度をチェックするといいでしょう。これによるとカンボジアの治安状況は危険レベル1、十分注意してください、となっています。レベル2は不要不急の渡航はやめてください、レベル3は渡航はやめてください、レベル4は退避して下さいというものです。

これらを考えるとカンボジアの治安は特段悪いというわけではなさそうです。近隣の国と比べるとラオス、ミャンマー全土、またタイのバンコクなどがこのレベル1という評価です。紛争の危険はありませんが泥棒などの犯罪の危険が他の国より多いという見解の様です。

この現在のカンボジアの治安は過去の状況と比べるなら格段に良くなったといえるかもしれません。70年代からおこった戦争に加えてその後のポルポト政権による大量虐殺の時代には外国人は一斉退去をさせられ、残った外国人の多くが犠牲になりました。

戦後の復興の時期には、治安の回復に大きな努力が払われてきました。政権の安定のために国連主導で選挙が行われた事を覚えておられる方もいるでしょう。この時期にはまだ小規模の紛争が続いており日本からボランティアとして選挙監視活動に参加していた若者が活動中に紛争に巻き込まれ死亡した事件も起きています。

また戦争時に無差別にばらまかれた地雷も戦後のカンボジアの治安に大きな影響を及ぼしていました。カンボジアでは雨季に雨が降り、乾季には畑や田んぼだったところが雨季には沼や川に変わってしまうという場所がたくさんあります。そのため一度除去した土地でもまた地雷が流れ混んでくる可能性もあります。

このような地雷除去の困難な状況は長い間カンボジアの治安にも大きな影響を及ぼしてきたということができるでしょう。

しかし現在のカンボジア全体の治安に関して言えば、戦後の混乱時期から回復して、治安は改善されたといえるでしょう。戦後は引き続きテロの心配などもありますがこのカンボジアではテロの脅威はほとんど感じることはありません。

また内戦がおこった多くの国では、戦後に武器が犯罪グループに流れていき治安が悪い状況をもたらすこともあるようです。しかしこのカンボジアでは、特に国連監視下の戦後最初の選挙が行われたときに武器の回収も進められ、犯罪グループへの流出を最小限に抑えることに成功したとも言えます。

このような経緯から現在のカンボジアの治安は、紛争に関しては全く問題ないということができるでしょう。政権も独裁的な政権ながら安定しており今後紛争が起こる危険も少ない国だともいえるでしょう。しかし貧富の差はいまだに埋まらずそれにより強盗、スリ、ひったくりといった犯罪は頻発しています。

この状況は都市によって違います。世界遺産のあるアンコールワットやカンボジア随一のビーチリゾートがあるシアヌークビルという街では、現在の治安は比較的良好ですが首都のプノンペンではいまだに注意が必要です。滞在場所によって治安の度合いが違うので注意したほうがいいでしょう。

カンボジアの首都プノンペンの治安はどうなのでしょうか？現在でも在カンボジア日本大使館には毎日のように犯罪の被害に遭ったというという報告が届いています。一番多いのがひったくり、スリ、そしていかさま賭博などの詐欺のような犯罪の様です。

特にひったくりはバイクタクシーや三輪タクシーなどに乗車している外国人が標的になるケースがあるようです。バイクタクシーや三輪タクシーに乗っているときは、基本的にはオープンエアなので後ろからさっとかばんを持っていかれたりします。時には肩にかけていたかばんをナイフのようなものでさっと切って持っていくというケースもあるようです。

特に多いケースが、スマートフォンやタブレットを見ながら街を歩いていたり、バイクタクシーや三輪タクシーに乗っているときです。後ろから近付いてきた二人乗りのバイクにさっと持っていかれてしまうことがあるようです。プノンペンでは昼間でこのような犯罪が報告されています。

夜になるとさらに犯罪に会う確率が多くなります。特にプノンペン中心部にあるカジノ付近ではカジノから出てくる旅行者の後をつけて行き人気の少ないところに来た時、またホテルの前についてちょっと降りた時などに強盗被害にあることがあるようです。多くの場合ナイフや拳銃をもっての強盗が報告されています。

ですので特に旅行者はプノンペンでの滞在中は十分な防犯対策をしておいたほうが良いようです。治安が良くなってきて紛争の危険はないものの犯罪に遭う危険はあります。けがをしたりパスポートを無くしたりしたらせっかくの旅行が大なしです。

カンボジア南部のビーチリゾートのシアヌークビルでの治安はどうでしょうか？こちらは首都のプノンペンとは違い、カンボジア政府も大切な観光資源として宣伝していこうとしているので治安には気を使っており、プノンペンよりは治安はいい状況といえるでしょう。

近年国際空港も営業を再開し、悪いイメージを持たせたくはありません。警察も犯罪の減少に力を入れているので、プノンペンよりはひったくりや強盗といった犯罪は少ないといえるでしょう。またプノンペンほど貧富の差が大きくなくスラム街もほとんどないのでこれら治安が比較的良い理由の一つです。

しかし近年中国資本のカジノ建設が進んできて状況が変わってきました。土地の価格が急上昇してこれまで安かった賃貸アパートの家賃も2倍、3倍と上がってきており普通のカンボジアの人たちが住みにくい状況になってきています。以前は夜は静かだった街がいまでは夜遅くまでネオンが輝く街になってきました。

こんな状況のために、特にシアヌークビル中心部の治安は以前よりも悪い状況に変化して行っています。家族連れや女性だけの旅行者たちは中心部の宿泊施設ではなく少し外れのオートレスビーチ周辺の宿泊施設を選ぶことをおすすめします。ここまでくればのどかな雰囲気で治安の心配もありません。

ではカンボジアでもっとも旅行客が多い観光地、アンコールワットへの玄関口のシェムリアップ市の治安はどうでしょうか？こちらの治安は良好です。世界遺産の中でも特に人気の高いアンコールワット観光のために整備された街ともいえますので、シェムリアップ市の警察も犯罪の監視には力を入れています。

たとばプノンペンでは夜の9時にもなると、女性が一人で歩くのは危険だといわれます。特に地元の人たちは一人で外には出たがりません。しかしこのシェムリアップではそのような危険はないようです。プノンペンのようなスラム街も少なく貧富の差が比較的少ないのも治安が比較的良好な理由の一つかもしれません。

もちろん油断は禁物です。観光客相手にぼったくりや強盗、スリといった犯罪も報告されています。アンコールワットの寺院群を見学しているときは大丈夫ですが、地元の市場や市内を三輪タクシーやバイクタクシーで移動しているときなどは十分注意したほうがいいでしょう。

治安状況として多くの人がまず考えるのがテロの危険かもしれません。カンボジア国内ではテロの危険はあるのでしょうか？率直に言うとテロの危険はないといえるでしょう。戦争のあと10年ほどは小規模な紛争や爆弾事件もあったようですがここ10年くらいはテロについては全く聞きません。

カンボジアは仏教徒の国でもありますが、チャム族というマレーシアやインドネシアから流れてきたイスラム教徒たちも大勢住んでいます。しかしカンボジア国内で他の宗教の人たちと仲良くしていくことを学んでおり特に不満を感じている人たちはいないようです。テロの心配はありません。

また、政治的には状況も安定しているといえるでしょう。自由選挙が行われているとはいえ、実質は一党支配のカンボジアではいまだに与党勢力が大半を占めており、対抗する勢力には力がありません。貧富の差はあるものの経済発展、インフラの整備が進んでいるのでテロの心配も少ないといえるでしょう。

現在国境を接しているタイ、ミャンマー、ベトナム、ラオスなどもテロの不安は少ない地域です。テロ多い国に接する別の国にもテロの被害が及ぶことがありますがカンボジアは大丈夫です。テロが起こる可能性は低いでしょう。国内の状況、近隣諸国の政治状況を考えると今すぐにテロが起きる危険性は低い国です。

ではカンボジアは女性が一人で歩いても全く問題のない国でしょうか？これはとても難しいです。日本でもそうですが夜の女性の一人歩きは危険です。泥棒はやはり弱い女性を狙うことが多いようです。ひったくり犯なども力が強い男性よりもか弱い女性のほうが狙いやすいでしょう。

特に気を付ける必要があるのは女性同志のグループで移動するときです。三輪タクシーに2，3人で乗っていてカンボジアの風景をスマホで撮っていた時に横のバイクが通り越し際に持っていくこともあります。ちゃんとショルダーバッグをたすき掛けにしている女性とみると強引に倒して持っていくこともあります。

ですから、特に犯罪が多い首都のプノンペンでは女性の一人歩きはやめたほうがいいでしょう。特に夜は危険が一気に増します。レストランなどへ移動するにしてもタクシーを利用するといいでしょう。移動中の被害に遭わなくてすみます。でも乗り降りの時には注意しておく必要があります。

治安状況と密接に関連するのが政治情勢とそれに続く紛争などです。カンボジアでも現政権に対する不満を持つ人たちが大勢いますが今のところ政府に大ぴらに反対する勢力はありません。ときには市民によるデモなどもありますがそれが大きな闘争に発展することはほとんどありません。

これは現在の状況です。現在のカンボジアの首相のフン・セン氏は長い間その座についており権力が集中している状況です。フン・セン氏も高齢になってきていますので後継者争いが生じたときには紛争が起きる可能性も残っています。実際カンボジア国民の中には紛争が起きるくらいなら彼が首相のままの方が良いと言う人びとも少なからずいます。

現在のカンボジアの治安を語るうえで欠かせないのがとても悪い交通状況です。急激な発展にともない自動車の数も急激に増えてきました。これまではバイクばかりだったので事故があってもそれほど大事には至りませんでしたが、現在では自動車による死亡事故が増えています。

カンボジア、特にプノンペンの夜は交通事故に注意してください。信号があっても守らない人がほとんどです。大きな道路を渡るときなどは十分に注意してください。

現在の治安が悪いかどうかを語るうえで考える必要があるのが、疫病、疾病に関する事柄です。鳥インフルエンザやSARS、また古くはエボラ出血熱などの病気は外務省が公表する治安情報にも大きく影響を及ぼしてきました。このカンボジアでは現在何らかの伝染性の疫病が報告されているわけではありません。この点に関しては問題はありません。

旅行者たちにとっては食中毒などの方がより注意すべき問題でしょう。一流ホテルや外国人が多く訪れるようなレストランなら大丈夫ですが、地元の人たちが訪れるような食堂や屋台では加熱された料理でも食器が衛生的でない場合もあります。旅行者は特に生野菜は食べないほうがいいでしょう。

比較的治安が悪いプノンペンで外国人の旅行者が巻き込まれる犯罪のほとんどがスリとひったくりです。また近年では日系のショッピングモールで日本語で話しかけられて詐欺的な違法カード賭博に巻き込まれて大金をとられてしまうというケースもあります。稀ではありますが薬を盛られるこん睡強盗の被害にあう人もいます。

比較的治安の悪いプノンペンではスリの被害に遭うこともあります。特に多いのが人込みの中、市場やお祭りの最中などでしょう。特に地元の市場はすれ違うのも大変なほど買い物客でごった返しています。そんな中外国からの旅行者が入ってくるととっても目立ちます。

スリの中にはカッターを持っていてかばんをカッターで切って中身の財布だけを取るということもあります。このような場合は、最初は気づかず支払いをしようとしたときに初めて財布をとられていたことに気づくというケースがほとんどです。市場でのショッピングは文化に触れることができる良い機会ですが、スリには十分に注意してください。

現在のカンボジアで旅行者が被害に遭う最も多い犯罪がこのひったくりです。比較的治安の悪いプノンペンでは頻発しています。特に女性の被害が多いのが特徴です。非力な女性が歩いているが見えると泥棒にとっては格好の標的の様です。特に多い被害が歩きスマホをしていてスマホをひったくられるというケースです。

特に現在の旅行者はガイドブックではなくスマホを見ながら目的地を目指すものです。スマホを片手に持ち上げて周りをキョロキョロしているとそこをバイクに乗った二人組がさっと持っていくといった状況です。iPhoneなどはとられても現在地がわかるといいますがプノンペンでは現在地がわかっても警察が動いてくれるかはわかりません。

一度とられてしまったらかえって来ないと考えたほうがいいでしょう。旅行者、とくに女性の旅行者は外でスマホを使う時はひったくりに注意してください。

比較的治安の悪いプノンペンで旅行者がひったくりに遭う別のケースはバイクタクシーや三輪タクシーです。かばんを膝に置いておくだけだったりハンドバックを腕にかけているだけの状態の時に被害に遭うことが多いようです。旅行者特に女性は移動の際には自動車のタクシーを利用するのが無難です。

旅行者が犯罪に巻き込まれたときに一番困る悪いケースがパスポートも紛失してしまうことです。ひったくりに遭ったときなどかばんと一緒に持っていかれたら最悪です。そんな時はすぐに大使館に連絡しましょう。新規の発行か渡航書の作成をしてもらえます。通常は地元警察で紛失届を提出する必要があります。詳しくは大使館の人に聞いたほうがいいでしょう。

日本と比べると治安の悪いカンボジアで犯罪被害や交通事故、あるいは病気などになった時に役に立つのが海外旅行保険です。ほとんどの場合はインターネットで購入できますし日本を出るときの国際空港には窓口もあります。クレジットカードなどには保険がついていることもありますが、海外旅行保険の方が安心です。

日本と比べると治安の悪いカンボジアでも、旅行者一人一人がちょっとしたことに気を付けるだけで犯罪被害を未然に防ぐことができます。例えば道路を歩くときは歩道側にかばんを持つ、タクシーの乗り降りの際には周りを見てからにする、市場などの人込みではかばんを自分の胸の前に置いておく、などです。

また気を付けるのは移動したりする時間帯です。特に夜10時を過ぎるとカンボジア人にとっては夜中の感覚です。繁華街以外のお店はほとんどしまってしまいます。道路には街燈がないところも多いので近隣のお店が閉まってしまえば周辺全体が暗くなってしまい昼間とは全く雰囲気が違ってしまいます。

夜は10時までにはホテルなどに帰るといいでしょう。特に女性の旅行者はそうしたほうがいいでしょう。もし万が一遅くなったならレストランの人にタクシーを呼んでもらいましょう。道路で客待ちをしている三輪タクシーやバイクタクシーの中には犯罪者の仲間もいます。待ち伏せされて強盗被害に遭うというケースもあります。

さらには、繁華街などで日本語で近づいてくるカンボジア人たちには十分に注意していください。ぼったくりにあったり違法賭博に誘われたり、中には睡眠薬を盛られて意識がもうろうとした状態でホテルで保護されたりなどのケースも報告されています。

これらを守っているだけで犯罪被害に遭う確率は格段に減ることでしょう。日本と比べると治安の悪いカンボジアですが、ちょっとしたことに気を付けるだけで旅行を楽しむことができます。

カンボジアの入国の際は他の東南アジアの国とは違い、日本国籍のパスポートでもビザを購入する必要があります。30日の観光ビザで約30ドルです。このビザは事前にインターネットで購入することも可能ですし空港で取得することも可能です。空港で取得する際には証明写真サイズの写真が必要になるので事前に用意しておくといいでしょう。

カンボジアの治安についてお知らせしました。日本と比べると治安の悪いカンボジアですがちょっとしたことに気を使えば女性の旅行者でも大丈夫です。テロや伝染病の心配も全くありません。地雷の危険もすでに過去のものです。東南アジアでいま最もホットな国カンボジアの旅行を楽しんでください。